貨物を輸出入する際には、税関に許可申請を行い、検査を受け、関税を支払った上で、輸出入の許可を必ず受ける必要があります。
これら税関への輸出や輸入を行う際に税関に提出する書類の作成や、税関が行う処分に対して異議申し立てなどに対する通関業務の代行を認められた国家資格です。
通関士試験は毎年約7,000 人が受験しており、高い専門性から貿易業界ではとても高い評価を受けています。
難易度 |
合格率 |
学習時間 |
受験資格 |
約13% |
300〜500時間 |
誰でも受験可 |
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主な受験者 |
取得費用 |
平均年収 |
なれる職業 |
サラリーマン・大学生 |
2〜5万円 |
約450万円 |
通関業者、海運、航空、商社など |
通関士とは
通関士は、輸出や輸入を行う際に税関に提出する書類の作成や、税関が行う処分に対して異議申し立てをするなど
- 通関業務の代行
が主な仕事です。
さらに、取引する品物が法令や規制への確認や、輸出入に関する的確なアドバイスなど専門的知識を持った輸出入業を行うプロフェッショナルの観点からコンサルティングなども行います。
近年では、会社だけでなくインターネットを活用した個人輸入も増加傾向にあるため、通関士が求められるフォールドは拡大しています。
ポイント
- 通関業者や通関部門を自社に持つ商社以外に勤務する場合は、通関士と名乗ることはできない
- 通関士は試験に合格後に通関業者に就職し、財務大臣の確認を経て、資格が与えられる
通関士の年収、就職先、独立開業
通関士の平均年収は
- 約450万円
と、日本国内の平均的な年収を得ることができます。
通関士は、公認会計士や司法書士などの国家資格と異なり、原則として独立開業ができません。
そのため、資格取得後は輸出入の際の各種手続きを代行する通関業者や物流業者、通関部門を自社に持つ商社などに勤務する人が大半を占めます。
一方で、通関業者や企業の通関部門以外でも、通関士の知識を役立てている人は多くいます。
例えば、通関部門を持たないメーカーや商社では、輸出入を行う際は通関業者に依頼することになりますが、自社で通関業務を行うことができればコストの削減につながります。
また、外国為替を行う銀行、保険会社など、通関士の知識はあらゆる業者で重宝されています。
通関士の試験概要
試験概要はどうなっているんだろう...
通関士試験は毎年10月に実施されます。受験資格に制限はありませんが、令和元年度の合格率は13.7%と、難易度が高い試験と言えるでしょう。
なお、通関業者、官庁で通関業務や事務に従事した期間が5年以上になると、試験科目の3科目中1〜2科目が免除されるため、実務経験がある人には有利になります。
近年では、貿易に関する仕事の人気が高いこともあり、大学生が在学中に受験するケースも増えています。
受験資格 |
誰でも受験可 |
試験日 |
10月上旬 |
受験料 |
3,000円 |
試験科目 |
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。)、通関書類の作成要領その他通関手続きの実務、通関書類の作成要領その他通関手続きの実務 |
試験方法 |
マークシート方式 |
合格基準 |
全科目ともに合格基準は60%以上 |
合格率 |
約10〜15% |
補足
- 出題範囲は、その年の7月1日現在で施行されている法律とその関係政令、省令、告示、通達
- 通関士試験の合格者が通関士として通関業務に従事する場合は、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の「確認」が必要