いかに、過去問の正しい使い方ができているかがポイントなんだな。
行政書士試験は8科目もあり試験範囲が広く、難易度も高いため、合格するには相当な記憶力と正しい勉強法が求められます。
間違った学習によって、1年また1年と行政書士の試験に合格するまでの時間が長引き、最終的に受験を諦める独学の受験生が多い試験です。
だからこそ、過去問の正しい使い方を知ることがとても重要で、実践した受験生はすべからく合格しています。
- 合格者に共通する3つのテッパン法則
を使えば、独学で合格する可能性が驚くほどに高まります。
行政書士で過去問を重視しないと起こる悲劇
僕は不器用だから、とにかくがむしゃらに勉強しなきゃ...
ただ、テキスト学習中心だと勉効率が悪いから過去問中心の勉強をすべきなんだな。
行政書士の不合格者に多い勉強法のトップ2が
- テキスト学習中心で実力試しに過去問を1回だけ使う
- メリハリを全くつけずに、全ての過去問題を均一に解く
です。
テキストに書かれている文言を覚えることが目的となってしまう、出題頻度や配点割合などから覚えるべき論点や知識の優先順位をつけず全て同列に勉強してしまう傾向がとても強くなります。
すると、テキストでざっくりは覚えているものの問われるポイントをしっかり理解できていなかったり、ほとんど出題されない論点や知識に時間をかけてしまうことなるため、不合格という悲劇を引き起こします。
悲劇を起こさないために意識すべき過去問の使い方は2つだけ
悲劇を起こす前に知れてよかったなぁ...
だからこそ、過去問の正しい使い方を知っておくと合格に大きく近づくことになるんだな。
行政書士で過去問を重視しないと起こる悲劇から学ぶべきは、本番で合格点を獲得するための過去問の使い方を強く意識することです。
難しいことをするわけではなく悲劇の裏返しである
- 毎年や2年に1度な頻出する論点に重きを置いて、過去問を中心に反復学習する
- ほとんど試験に出ていない分野や論点は飛ばしたり、サラッと学習する
の2つの視点から過去問を取り組むことにつきます。
行政書士の過去問を中心とした勉強法が最適な2つの理由
まだ心のどこかに抵抗がある...
理解すべきは、過去問こそが最高の教科書、過去問を使った苦手分野の把握は勉強効率が高いの2つなんだな。
行政書士の試験は過去問を中心とした勉強法が合格を目指すには非常に重要なのは
- 正解の選択肢は覚えるべき論点が凝縮されている
- 誤りの選択肢から間違い表現の確認
は過去問でしか学べない重要な学習ツールだからです。
不正解の選択肢は、どこが誤りでどう直すと正しいかの学習によって、正解不正解を見極めする力が高くなります。
過去問を中心とした勉強法が最適な2つの理由
- 過去問こそが最高の教科書
- 過去問を使った苦手分野の把握は勉強効率が高い
過去問こそが最高の教科書
テキストが教科書だと普通は思うんだけど...
行政書士の過去問は腕試しのために使う教材ではありません。むしろ、過去問こそ最高の教科書として利用すべきなのです。
なぜなら、過去問を分析しどのような問題をどのような角度で出題されたかの理解により
- 出題傾向
- 出題論点・頻度
を把握できるからです。
ポイント
- 過去問の記述(問題分・選択肢・解説)は、要点が凝縮されている
- 覚えるべき部分をピンポイントで示してくれるから余分な箇所は省けて時短になる
過去問を使った苦手分野の把握は勉強効率が高い
過去問は苦手分野を把握する上でも欠かせない重要アイテムです。
必要な手順は
- テキストで分野別・論点別に学習
- 該当する一問一等形式の過去問を解く
のたった2だけです。
テキスト分野別・論点別の学習を終えたら、その範囲の過去問をすぐに解いてください。
この過程によって、苦手分野が分かります。
苦手分野が分かれば、あとは過去問を1回ではなく、2、3回と解き直せばOKです。
ポイント
- インプットとアウトプットを同時にすることで苦手分野をすぐに把握できる
- 過去問で苦手分野を浮き彫りに背たら、過去問を何度もとくことで記憶の定着を図る
行政書士で使える過去問の使い方における共通する3つのポイント
さっそく過去問を中心に学習を始めるぞ〜。
それはどんな過去問題集を使うべきなのかなんだな。
行政書士の試験で過去問を中心に据えた勉強法がいかに重要なのかが理解できたら次に考えるべきは、
- どのような過去問題集を使うべきか
です。
使い勝手の良い過去問に巡り合えるかどうかは、効率的な勉強(学習)ができるかどうかの命運を握っています。
そのためにも、何十種類と販売されている行政書士の過去問のなかで、使える過去問に共通するポイントを知っておくことは非常に重要です。
3つの共通ポイント
- 論点別の過去問
- 一問一等形式の過去問
- 過去10年以上収録されている過去問
論点別の過去問
ポイント
- 知識を定着化させやすい
- 出題傾向が把握しやすい
- 自分の苦手分野を一目で分かるようになる
- 論点別に収録されているものであれば、分野ごとに集中して勉強できる
一問一答形式の過去問
忙しい社会人だと、なかなか机に向かって多くの勉強時間をとりづらいから論点別の過去問はおすすめなんだな。
一問一答形式の過去問だと五肢を比べる必要がなく、その問題の正誤判断だけでよいので、数分の空き時間でも非常に取り組みやすい点が最大の特徴です。
論点を理解し、知識を定着させるのにも最適な勉強法であることから、正誤判断の訓練に最も適しています。
ポイント
- 1問に取り組む時間は短く、正誤判断の根拠や論点もその問題のみ探せば良いからラク
- 一問一答形式だと解答解説が見開きもしくは裏面についており解答の確認がすぐにできるため、知識整理の効率化が段違い
- 重要箇所が赤字で強調されており、記憶すべき部分が視覚的に分かりやすい過去問だと完璧
過去問10年分以上収録されている過去問
10年分以上の過去問題数に当たれば、それだけ様々な出題傾向や論点を知ることもでき、引き出しを増やすことができるため、過去問題は10年分以上収録されているものを使うべきです。
10年で8回と10年に1回しかでない論点のどちらに力を入れたほうが勉強効率を良いか考えれば、誰もが前者を選択します。
しかし、出題頻度を把握していないと、どちらをより優先して勉強すべきなのか分かりません。
10年分以上の過去問を使えば何度も問われている重要ポイント、めったに問われていないポイントを知ることができるため、確実に抑えるべき論点や分野はどこなのか優先順位をつけた勉強を行えるようになります。
メモ
- 過去10年以上の収録、論点別の出題頻度が一目で把握できる過去問題集を利用すべき
行政書士の過去問を3つのテッパン法則に使って勉強すべき
この法則を使って、過去問学習にとりかかれば合格可能性が高まるのは間違いなしなんだな。
行政書士の試験問題は頻出事項や重要論点の結論重視で暗記できれば解答可能です。
ですが、丸暗記だけで乗り切れるほど行政書士は甘い試験ではありません。
重要となるのが、合格者に共通する過去問の使い方である
- 出題されている問題から3つのテッパン法則に分類し、それぞれ適した勉強法で暗記効率を高める時短学習
をすることです。
合格者に共通する3つのテッパン法則
- 条文問題(法の目的・適用範囲を直接問うもの)
- 判例(補足意見)でのキーワード
- 用語と具体例のひも付け
条文問題(法の目的・適用範囲を直接問うもの)を平成29年度問11の過去問をもとに解説
条文の一部が空欄になっていて、あてはまるものを選ぶような場合が当てはまります。
次の文章は、行政手続法 1 条 1 項の条文である。空欄 ア〜オ に当てはまる 語句の組合せとして、正しいものはどれか。
第 1 条 この法律は、(ア)、行政指導及び(イ)に関する手続並びに(ウ)等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における(エ)の確保と透明性(略)の向上を図り、もって(オ)に資することを目的とする。
(ア)行政行為(イ)届出(ウ)行政計画(エ)迅速性(オ)国民の権利利益の保護
(ア)処分(イ)公証(ウ)行政契約(エ)効率性(オ)行政の適正な運営
(ア)行政行為(イ)公証(ウ)命令(エ)公正(オ)国民の権利利益の保護
(ア)行政行為(イ)通知(ウ)行政計画(エ)効率性(オ)行政の適正な運営
(ア)処分(イ)届出(ウ)命令(エ)公正(オ)国民の権利利益の保護
上記のように条文の目的や適用範囲を直接問う問題は暗記しているかどうかで得点がかわってくるため、何度も過去問を使い、量をこなして暗記すべきです。
ポイント
- 条文問題(法の目的・直接適用範囲を問うもの)は暗記しているか否かで全てが決まる
- ひたすら過去問を使って暗記
判例(補足意見)でのキーワードを平成29年度問43の過去問をもとに解説>
条文の丸暗記でも攻略できるけど、得点する力をグッと高めたいならキーワードの意味と判例理解が重要となるんだな。
次の文章の空欄(ア)〜(エ)に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から 選びなさい。
行政救済制度としては、違法な行政行為の効力を争いその取消し等を求めるものと して行政上の不服申立手続及び抗告訴訟があり、違法な公権力の行使の結果生じた損 害をてん補するものとして・・・ (ア)請求がある。両者はその目的・要件・効果を 異にしており、別個独立の手段として、あいまって行政救済を完全なものとしている と理解することができる。後者は、憲法 17 条を淵源とする制度であって歴史的意義 を有し、被害者を実効的に救済する機能のみならず制裁的機能及び将来の違法行為を 抑止するという機能を有している。このように公務員の不法行為について国又は公共 団体が・・・責任を負うという憲法上の原則及び(ア)請求が果たすべき機能をも考 えると、違法な行政処分により被った損害について (ア)請求をするに際しては、あ らかじめ当該行政処分についての取消し又は(イ)確認の判決を得なければならない ものではないというべきである。この理は、金銭の徴収や給付を目的とする行政処分 についても同じであって、これらについてのみ、法律関係を早期に安定させる利益を 優先させなければならないという理由はない。原審は、・・・固定資産税等の賦課決 定のような行政処分については、過納金相当額を損害とする (ア)請求を許容する と、実質的に(ウ)の取消訴訟と同一の効果を生じさせることとなって、(ウ)等の不 服申立方法・期間を制限した趣旨を潜脱することになり、(ウ)の(エ)をも否定する ことになる等として、(ウ)に(イ)原因がない場合は、それが適法に取り消されない 限り、(ア)請求をすることは許されないとしている。しかしながら、効果を同じく するのは(ウ)が金銭の徴収を目的とする行政処分であるからにすぎず、(ウ)の(エ)と整合させるために法律上の根拠なくそのように異なった取扱いをすること は、相当でないと思われる。
(最一小判平成 22 年 6 月 3 日民集 64 巻 4 号 1010 頁・裁判官宮川光治の補足意見)
(1)不当(2)損失補償(3)授益処分(4)撤回(5)住民監査
(6)無効(7)執行力(8)強制徴収(9)既判力(10)課税処分
(11)国家賠償(12)不存在(13)取立(14)形成力(15)差止
(16)支払(17)不作為(18)不可変更力(19)通知(20)公定力
引用:行政書士試験研究センター
判例や補足意見に登場したキーワードと意味を問う(例:補足意見の穴埋め・並べ替え問題)問題であり、基本的には丸暗記でも攻略可能です。
メモ
- 丸暗記でも攻略可能
- しかし、キーワードの意味と判例の理解をしっかり勉強しておくと得点を獲得する力が倍増
- さらに、暗記プラス理解につながるため、記述対策にも活かせる一石二鳥な過去問学習法
過去問から用語と具体例をひも付けておく
例えば、行政事件訴訟をあげると以下のようになります。
用語 |
具体例 |
抗告訴訟 |
取消訴訟・無効等確認訴訟・不作為の違法確認訴訟 |
当事者訴訟 |
形式的当事者訴訟:土地収用の際の補償額増額請求 |
民衆訴訟 |
選挙訴訟・住民訴訟 |
機関訴訟 |
議会と長の紛争・国と地方の紛争 |
このように、過去問学習をしながら、用語(概念)と具体例を表などにまとめながら理解しておくと暗記のしやすさが段違いとなります。
ここでは割愛していますが、加えて根拠法も押さえるとさらに理解力が増し、結果として暗記のしやすさにつながります。
メモ
- 具体例が問題として直接問われるのはもちろん、用語と具体例のひも付けでも法令等終盤にある記述式問題にも活かせる
まとめ
行政書士試験は、暗記だけで乗り切るものではなくm論理や結論を覚え、しかるべき根拠を考えていくことが求められます。
だからこそ、過去問を使って本番レベルの文章に触れ、理解を深めていくことが重要となりますが、間違った学習によって、1年また1年と行政書士の試験に合格するまでの時間が長引き、最終的に受験を諦める独学の受験生が多いのも事実です。
合格者に共通する3つのテッパン法則である
- 条文問題(法の目的・適用範囲を直接問うもの)
- 判例(補足意見)でのキーワード
- 用語と具体例のひも付け
によって過去問を正しく使うことができれば、独学で合格する可能性が驚くほどに高めましょう。
最短合格を目指した学習を始める上で、過去問学習以外で知っておくべきことってあるのかなぁ。