中小企業診断士の年収と独立の現実【年収1,000万円以上も夢じゃない】

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独勉クン

中小企業診断士をとったら年収は上がるのかな...
独立や転職、副業などに活かして年収が上がると、めちゃくちゃ嬉しいんだけどなぁ...

中小企業診断士の資格があるから年収が上がることは、残念ながら可能性としては低いのが現実なんだ。
でも、資格を学ぶなかで習得した知識やスキルを上手に活かせれば年収アップは全然可能なんだな。

アール博士

中小企業診断士の平均年収は

  • 約740万円

と高い部類に属します。

しかし、名称独占の資格であるため、資格を取得すれば誰でも簡単に年収を上げることができるわけではないのが現実です。

それでも、やり方次第で年収1,000万円以上も夢ではありません。

この記事の監修中小企業診断士

 日野眞明 氏

独立して29年を超えるベテラン診断士。元国立大学法人豊橋技術科学大学大学院非常勤講師、名古屋商科大学大学院客員教授。監修本として「過去問で効率的に突破する!『「中小企業診断士試験』勉強法』」、「中小企業診断士2次試験『世界一やさしい答案作成術』」(いずれも同文舘出版)がある。また、著書「ふせん1枚から始める『事業計画』(三恵社)」は第6刷となりベストセラー。現在は、中小企業診断士の後進育成「令和眞塾」にも注力している。

中小企業診断士の年収の現実

独勉クン

中小企業診断士の資格をとると年収ってあがるのかなぁ...
お金事情はすごく気になる〜。

中小企業診断士の平均年収は約740万円なんだ。
高いか低いかは人によるけど、一般的にはとても魅力的な金額なことは間違いないんだな。

アール博士

中小企業診断士の平均年収は

  • 約740万円

です。

中小企業診断士

一般的な社会人

社会保険労務士

平均年収

約740万円

約441万円

約530万円

般の平均年収が441万円(参照平成30年分民間給与実態統計調査)、同じくらいの難易度である社労士の平均年収が約530万円(参照賃金構造基本統計調)と比較して約200~300万円も多いことから、中小企業診断士は平均年収の高い資格の1つだと言えます。

ポイント

  • 中小企業診断士の平均年収は約740万円と高い
  • しかし、平均年収の数字だけでは上位数%の人がとても高額で、他は低年収の可能性もあるので注意

[平均年収は約740万]統計データから見る中小企業診断士の年収分布

独勉クン

中小企業診断士の平均年収が約740万円はテンション上がるなぁぁ

平均年収だけだと一部の人の年収が高いだけなのかもしれない可能性があるんだ。
だから、統計データから年収分布をみて偏りがあるかを知るといいんだな。

アール博士

中小企業診断士の年収を知るには、年収分布によって割合を把握することが1番です。

年収

割合

0〜500万円以内

40.76%

501〜800万円以内

19.55%

801〜1,000万円以内

13.34%

1,001〜1,500万円以内

14.66%

1,501〜3,000万円以内

9.61%

3,001万円以上

2.07%

参照データでみる中小企業診断士2016

年収分布のポイント

  • 501〜800万円801〜1,000万円1,001〜1,500万円の割合がほとんど一緒
  • 中小企業診断士の平均年収は約740万円ではあるものの、割合(確率)的に考えて800〜1,500万円以上の年収も十二分に可能な夢のある資格

昇進による年収アップに中小企業診断士は役立つのか

独勉クン

中小企業診断士をとれば会社の中で昇進できるようになるのかなぁ...

中小企業診断士の資格があるから昇進につながる可能性は限りなく低いんだ。
でも、資格取得が間接的に昇進につながる好影響をもたらすことは大いに考えられるんだな。

アール博士

残念な事実ではありますが、中小企業診断士の資格を取得したからといって、直接的に昇進につなが可能性は低いです。

ただし、直接的につながらないだけで間接的には昇進につながる可能性は大いにあり得ます。

中小企業診断士では、一次試験で経営に必要な全般の知識、二次試験で論理的思考力を身につけます。

なかでも、二次試験の論理的思考力は筋道たてて分かりやすく相手に説明するスキルとなるため、資料作成や会議などプレゼンスキルが格段に向上し、社内での評価が高まるというように、間接的に昇進につながる効果を得られる可能性は大きいです。

ポイント

  • 中小企業診断士の資格を持つことが昇進につながるわけではない
  • 論理的思考力はビジネススキルの向上に間違いなくつながるため、昇進への間接的効果は得られる

転職による年収アップに中小企業診断士は役立つのか

独勉クン

中小企業診断士は転職に役立つのかなぁ...

昇進と一緒にはなるんだけど、中小企業診断士の資格が転職につながるのはかなり珍しいケースなんだ。
それよりも、勉強で学んだ知識やスキルをいかした転職活動できれば年収アップも夢ではないんだな。

アール博士
 

中小企業診断士の資格を持っていることが転職に生きるケースはほとんどありません。

ですが、全く転職に生きないわけではなく、銀行や信用金庫、商工会議所・商工会、経営コンサルタント会社など中小企業を支援している会社などは中小企業診断士の資格を高く評価するため、転職を有利に進められます。

それ以外の会社では、中小企業診断士の資格自体には転職を有利に進めるほどの価値を持っていません。

昇進と同じで、中小企業診断士で学ぶ知識やスキルを活かした転職活動を行えば年収アップも十分に可能です。

昇進でも転職でも重要なのは、中小企業診断士の資格に意味があるのではなく、取得する過程で学んだ知識やスキルを最大限活かすことなんだ。

アール博士

学んだスキルの活かした例

  • 中小企業診断士で学ぶPEST分析やSWOT分析などを通じて、成長戦略の仮説を描く
  • それに対してあなたがどのように、そしてなぜ貢献できるのかを筋道たててプレゼンする

[おまけ]中小企業診断士の資格手当による年収アップ

独勉クン

中小企業診断士の資格を取得を目的に考えてしまっていた...
それよりも、学んだ内容をどう活かすかに重きをおかないと本当の意味で資格を活用することにはつながらないよね...

独勉クン、正にその通りなんだ。
会社によっては資格手当をもらえる所もあるから、そういった意味では中小企業診断士をとる直接的なメリットと言えるんだな。

アール博士

中小企業診断士を取得することで直的な効果を得られるのは資格手当です。

資格手当は企業によって異なりますが、月5千円〜5万円ほどが一般的です。また、資格手当以外にも、合格祝い金として数万円〜数十万円ほどを支給している会社もあります。

  • 銀行
  • IT系企業
  • 経営コンサルタント会社
  • 商工会議所・商工会などの中小企業支援機関

の業種は比較的、資格手当てや合格祝い金を支給する傾向にあります。

合格祝い金100万円の会社も

  • 経営コンサルタント会社NIコンサルティングでは、なんと中小企業診断士に合格すると100万円の祝い金が貰える
  • さらに、通信講座の金額や資格取得後の更新維持費も会社が負担してくれる

独立の現実。中小企業診断士が儲からないはウソ!年収3,000万円以上稼ぐ人も存在する

独勉クン

中小企業診断士は足の裏の米粒と揶揄されてるみたいだし...
独立しても儲からないのかな...

むかしは資格の知名度も低く、中小企業診断士で独立するのが難しかったのは間違い無いんだ。
ただ、国として中小企業支援策には大きな力を入れている現在は、中小企業診断士で独立して十分にやっていくだけの仕事は存在しているんだな。

アール博士

中小企業診断士は足の裏の米粒と揶揄されていた時代があります。

もともと中小企業への指導するために中小企業相談員との呼称でお役所内での資格としてスタートしたことが大きく影響しています。

現在では経営コンサルタント唯一の国家資格としての認知度が高まっていることや、国の中小企業支援策が豊富に打ち出されているため、独立して間もない中小企業診断士でも食べていける環境となっています。

しかし、国の中小企業支援策の仕事ばかりにぶら下がっているとさほど稼げず独立失敗となってしまうケースもあるので注意が必要です。

ポイント

  • ものづくり補助金や経営革新計画など補助金関連の仕事はたくさんある
  • 中小企業者が専門家に無料でアドバイスを受けられるミラサポよろず支援拠点などの中小企業支援の仕事は充実している
  • そのため、独立して間もなくても中小企業診断士でも仕事をとりやすい状況である
  • しかし、国の中小企業支援策だけにぶら下がった仕事のとりかただけでは長く活躍できる中小企業診断士にはなれない
  • また、年収3,000万円以上など大きく稼ぐことも不可能

中小企業診断士として独立して失敗するパターン

独勉クン

中小企業診断士が独立しやすい資格だと聞くと、なんだかとても嬉しいぃぃ

中小企業診断士として独立して食って生きやすくなったとはいえ、失敗するケースもあるんだ。
その多くに共通しているのは、公的支援業務と呼ばれる国の中小企業支援策にぶら下がりすぎてしまうことなんだな。

アール博士

先ほど紹介した年収分布のなかで500万円以内の年収割合約40%

  • 公的支援業務(国の中小企業支援策)にぶら下がりすぎてしまった

結果、中小企業診断士としての独立に失敗するパターンだと言えます。

公的支援業務はレベルの高いコンサルティングスキルは求めらない代わりに報酬も低いです。

民間業務がかなり高い場合と公的業務がかなり高いでは顧問契約月額が10万円以上も差があることが物語っています。

顧問契約の平均月額

公的業務がかなり高い

65,400円

民間業務がかなり高い

174,000円

参照データでみる中小企業診断士2016

スキルも上がらず低い報酬の仕事をずっと受け続けても年収が上がることは不可能に近いです。

また、公的支援業務の仕事が獲得しやすいです。ただし、中小企業支援策の仕事量は景気に左右される部分もあるので、不況になればその分仕事が大きく減る可能性もある点も失敗リスクを高めるポイントとなります。

中小企業診断士として独立して失敗しないために

独勉クン

公的支援業務ばかりでは独立失敗リスクが高まってしまう可能性があるのか...

独立したての頃は積極的に公的支援業務で実績を積んでいくべきなんだな。
ある程度年数が経ってきたら、自分の進むべき道を決めて

アール博士

中小企業診断士として独立して失敗しないためには

  • 民間支援業務の割合をどれだけ増やせるか

につきます。

ただし、民間支援業務は公的支援業務よりも報酬額は格段に高いのに比例して、質の高いコンサルティングサービスの提供が求められます。

1人で全てを高いレベルで提供することは不可能なため、事業承継や事業再生など何か1つに特化し、○○と言えば独勉クンと認知度を高めることが重要です。

なぜなら、相手の相談する悩みが深ければ深いほど支払われる対価は高まるからです。

独勉クン

高級料亭にいくと、1テーブル1担当制ですごく気配りしてくれてお値段が高いお店は違うなぁと思った感覚と一緒だね。
お金持ちじゃないから、むか~しにいった記憶でしかないけど…

自分で解決できない相談事項は、周りの中小企業診断士やその他の士業と連携を組みながら、チームで課題解決をはかっていけばよいだけです。

専門分野を確立し、民間支援業務の割合を高めていけば高めていくほど、年収3,000万円以上を超すことも夢ではありません。

中小企業診断士として独立して成功するモデルケース

  • 独立して実績を積む数年間は公的支援業務がかなり高い
  • この数年間で実績を積む
  • 専門分野を徐々に確立させ、民間支援業務の割合を高めていく
  • 民間支援業務の割合が半分を超えだすと、年収3,000万円以上もみえてくる

まとめ

中小企業診断士の資格を取得が直接的に年収アップにつながる可能性は低いです。

しかし、社内昇進転職独立のどれにおいても

  • 中小企業診断士で学んだ知識やスキルを実戦で活かす

ことができれば、資格取得が間接的に年収アップへとつながっていきます。

特に二次試験で習得するロジカルシンキングはビジネスをする上で非常に強力な武器となるはずです。

独勉クン

中小企業診断士として活躍して僕も年収1,000万円以上を目指したいなぁ...
そのために、まずは試験の難易度の理解から始めるぞ〜。

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