社労士の試験内容は大きく
- 試験概要
- 受験科目
- 科目免除
の3つに分けられます。
試験内容を正確に知ることは、どのような戦略を立てて勉強していくべきかを道標を立てる基礎となるため、社労士の最短合格をする上で非常に重要です。
社労士の試験概要として知るべき項目は6つ
これさえ知っておけば、社労士を受験するための基礎は把握できるんだな。
試験概要として知るべき6つ
- 受験資格
- 受験料
- 試験日程
- 試験時間
- 試験会場
- 合格発表
社労士の受験資格
つまり、どんな人でも受験できるわけではないから、自分が受験できるかをまず確認する必要があるんだな。
受験資格
以下のいずれかの条件に該当していれば受験が可能です。
- 学歴
- 実務経験
- 厚生労働大臣が認めた国家試験合格者
学歴
大学、短大、高専(5年生)を卒業
- 昭和22年以降の卒業した人が該当
- 専攻した学部学科は問われない
大学在学・中退
- 大学(短大は除く)の学士の学位取得に必要な一般教養科目の学習を終わった者
- 62単位以上を修得した者
- 専攻した学部学科は問われない
ただ、短大卒は該当しないから注意してほしいんだな。
高齢の方
- 旧高等学校令(大正7年勅令第389号)による高等学校高等科を卒業、又は修了した者
- 旧大学令(大正7 年勅令第388号)による大学予科を卒業、又は修了した者
- 旧専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校を卒業、又は修了した者
その他
- 大学、短大、高専(5年生)を卒業、高齢の方に該当する学校以外
- 厚生労働大臣が認めた学校等を卒業し又は所定の課程を修了した者
専修学校卒業
- 修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に必要な総授業時間数が、1,700 時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了した者
社会保険労務士の受験に必要な証明書
ただ、受験する時には必要な証明書を提出する必要があるから覚えておいてほしいんだな。
社会保険労務士を受験する際には先ほどの受験資格を証明するために、以下の該当する証明書の提出が必要となります。
該当番号 |
受験資格証明書 |
大学、短大、高専(5年生)を卒業 |
卒業証明書又はその写し、卒業証書の写し、学位記の写しのいずれかが必要 |
大学在学・中退 |
4年生大学の成績証明書又はその写し |
高齢の方・その他 |
卒業証明書若しくは修了証明書又はその写し、卒業証書の写しのいずれかが必要 |
専修学校卒業 |
「専門士」若しくは「高度専門士」の称号が付与されていることを証明する書面又はその写し、専門学校の専門課程の修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に要する総授業時間数が1,700時間(62単位)以上であることを証明する書面又はその写しのいずれかが必要 |
実務経験
1.労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員(非常勤の者を除く。)又は従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
ポイント
- 合計で3年以上の実務経験があればOK
2.国又は地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間及び特定独立行政法人、特定地方独立行政法人又は日本郵政公社の役員又は職員として行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
(注)日本郵政公社の役員又は職員として従事した期間と民営化後(平成19年10月 1日以降)の従事期間の通算はできない
3.全国健康保険協会、日本年金機構の役員(非常勤の者を除く。) 又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者 (社会保険庁の職員として行政事務に従事した期聞を含む。)。
ポイント
- 社会保険庁の職員として、行政事務に従事した期間を含む
- 民営化後の日本郵便公社の従事期間は含まれない
4.社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
5.労働組合の役員として労働組合の業務に専ら従事(いわゆる「専従」という。)した期間が通算して3年以上になる者又は会社その他の法人(法人でない社団又は財団を含み、労働組合を除く。以下「法人等」という。)の役員として労務を担当した期間が通算して3年以上になる者
ポイント
- その他法人には労働組合は含まれない
- 法人でない社団と財団は含まれる
労働組合の職員又は法人等若しくは事業を営む個人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
ポイント
- 特別な判断を要しない単純な事務は除かれる
社会保険労務士の受験に必要な証明書
受験資格を証明するために、以下の該当する証明書の提出が必要となります。
該当番号 |
受験資格証明書 |
1、4、5 |
当該勤務先等の事業主、代表者又はこれに代わるべき者が当該事務従事期間を証明する証明 |
2 |
原則として当該任命権者が当該事務従事期間を証明する書面 |
3 |
社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の当該事務従期間を証明する書面 |
厚生労働大臣が認めた国家試験合格者
- 社会保険労務士試験以外の国家試験のうち厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
- 司法試験予備試験、旧法の規程による司法試験の第一次試験、旧司法試験の第一次試験又は高等試験予備試験に合格した者
- 行政書士となる資格を有する者
社会保険労務士の受験に必要な証明書
受験する際には先ほどの受験資格を証明するために、以下の該当する証明書の提出が必要となります。
受験番号 | 受験資格証明書 |
1、2 | 当該試験に合格したことを証明する書面又はその写し |
3 | 行政書士となる資格を有することを証する書面又はその写し |
受験料
9,000円
試験時間
選択式 10:00~11:50(80分)
択一式 13:20~16:50(210分)
出題される問題数
具体的には、選択式から8問、択一式から70問なんだな。
選択式
8題
出題数 |
科目 |
1題 |
労働基準法、労働安全衛生法 |
1題 |
労働者災害補償保険法 |
1題 |
雇用保険法 |
2題 |
労務管理その他の労働に関する一般常識、社会一般に関する一般常識 |
1題 |
健康保険法 |
1題 |
厚生年金保険法 |
1題 |
国民年金法 |
ポイント
- 1or2問は難易度のとても高い問題が出題される
- 残りの6~7問を確実に解答できるかどうか勝負の分かれ目
択一式
70問出題され、単純計算で、1問あたりの所要時間は3分です。
出題数 |
科目 |
7題 |
労働基準法 |
3題 |
労働安全衛生法 |
7題 |
労働者災害補償保険法 |
10題 |
徴収法 |
7題 |
雇用保険法 |
5題 |
労務管理その他の労働に関する一般常識 |
5題 |
社会一般に関する一般常識 |
10題 |
健康保険法 |
10題 |
厚生年金保険法 |
10題 |
国民年金法 |
ポイント
- 試験問題が長文化している傾向にある
- スピード感を持った解答が必要
- 知識に加えて、読解力も要求される非常にハードな試験
試験日程
試験日程
- 8月の第4日曜日
受験案内は毎年4月中旬ごろに、社会保険労務士試験オフィシャルサイトで発表されるんだな。
試験会場
メモ
- 19都道府県
- 北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県
合格発表
メモ
- 令和元年度は11月8日(金)でした
- 合格者には合格証書を郵送するほか官報で合格者の受験番号を発表される
社労士の受験科目
社労士のメリットとデメリットを把握すると、大変だけどやる気がモリモリ湧いてくるはずなんだな。
大きく分類すると2科目
- 労働科目
- 社会保険科目
-
-
社労士・社会保険労務士の資格取得には3つのメリット・デメリットが存在【意味ない・必要ない資格なの?】
独勉クン社労士取得はどんなメリットやデメリットがあるんだろう... メリットとデメリットを知ることで、独勉クン自身の社労士像を描くのは重要なんだ。 それが、勉強へのモチベーションに変わることは間違いな ...
労働科目
具体的には6つの科目で構成されているんだな。
労働科目の内訳
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働徴収法
- 労務管理その他の労働に関する一般知識
労働基準法
労働者を守るために存在する法律だった気がする...
賃金や残業、有給休暇など、とても身近な内容だから理解しやす科目でもあるんだな。
ポイント
- 年次有給休暇や労働条件、賃金や就業規則など労働者を守るための法律
- 法律の条文だけでなく、裁判の判決からの出題されるケースが近年は増加している
- 法律の主旨の理解が重要な科目
労働安全衛生法
労働安全衛生法とは、作業現場での危険や健康被害から守ってくれる労働基準法から派生した法律なんだな。
ポイント
- 有害物質を取り扱っている作業現場の調査や健康診断などについての規定を学ぶ
- 基礎的な知識の学習が得点をとれるかどうか大きく影響する科目
労働者災害補償保険法
労災に関する法律のことだ...
怪我をした時や病気になった時にどんな場合だと補償がでるのかなど、興味を持って勉強しやすい科目なんだな。
ポイント
- 労働者が業務上や通勤途中においてけがをしたり病気になった場合に、事業主による労働基準法上の災害補償を国が行ってくれる制度
- 基礎的な知識をしっかりと身に着けていれば、基準点は獲得可能
- 各種級の要件や内容などの基礎部分は確実に抑えるべき
雇用保険法
雇用保険法も身近な法律の1つなんだな。
ポイント
- 退職・転職時に給付金がもらえる失業給付(失業保険)や、高齢者の働く方を応援するための制度(高年齢者雇用継続給付)、育児休業時に給付金がもらえる育児休業給付などが定められている制度
- 基本的な知識がしっかり暗記できていれば、基準点の得点は可能
- 数字を問う出題が多いのが特徴
労働保険徴収法
どのように保険料が徴収されているかの仕組みを学ぶんだな。
ポイント
- 難易度は低い
- 過去問を研究すれば得点源にできる
労務管理その他の労働に関する一般常識
具体的にどんな内容なんだろう...
出題範囲が広いから、ポイントを押さえた必要最低限の勉強量で問題ないんだな。
ポイント
- 労働経済白書からの出題は失業率や障碍者雇用率、労務管理は人事考課や退職金制度なども出題範囲
- 出題範囲を予測できない部分も多いため、要点を押さえた必要最低限の得点を確保すべき
社会保険科目
もう1つの社会保険科目はどんな内容があるんだろう...
具体的には4つの科目で構成されているんだな。
ポイント
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金法
- 社会保険に関する一般常識
健康保険法
でも具体的に何を学ぶんだろう...
怪我や病気、出産など様々なシーンでどのような給付があるのかなどを学ぶんだな。
メモ
- けがはもちろんのこと、出産や死亡時にも給付が行われるなど、私生活と直結しているのが健康保険法の特徴
- 保険給付の出題確率が最も高い
- 全範囲にわたってまんべんなく出題されるため、幅広い学習が必要
- 法改正事項をしっかり押さえておくのも必要
国民年金法
どんな給付が支給されるのかや、年金に関する歴史も学ぶことができるんだな。
ポイント
- 国民年金とは、自営業者・会社員・公務員が加入している国が運用する年金制度
- 年金制度の仕組みだけでなく、年金財政や歴史も学ぶ
- 国民年金法は試験難易度が高い
厚生年金保険法
天引きされているから厚生年金のことを何も知らないでいるのは、非常にもったいないんだ。
社労士の勉強を通して構造を知っていくと新たな発見があるはずなんだな。
ポイント
- 年金の二階建て制度(一階は国民年金)
- 保険給付の種類など制度の仕組みを中心に学習
- 国民年金との対比学習を行うことが効率的な学習につながる
社会保険に関する一般常識
だから、これまで紹介した社会保険科目以外の医療、介護、年金、高齢化、財政など出題範囲となるんだな。
メモ
- 医療、介護、年金、高齢化、財政など出題範囲が広い
- さらに厚生労働白書も出題対象
- しかし、知っているか知らないかの難易度が低い問題が多いため、得点源にできる科目
社労士試験を科目免除できる方
ちなみに、科目免除できるのはどんな人なんだろう...[/st-kaiwa2]
一般のサラリーマンが科目免除するのは難しいのが現実なんだな。
メモ
公務員(国・地方公務員)
国または地方公務員として労働社会保険法令に関する施行事務に従事した期間が通算して10年以上になる方
労働社会法関連の従事者
厚生労働大臣が指定する団体の役員若しくは従業者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方又は社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の補助者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方で、全国社会保険労務士会連合会が行う免除指定講習を修了した方
日本年金機構
日本年金機構の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(日本年金機構の設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方
全国健康保険協会
全国健康保険協会の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(全国健康保険協会設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方
まとめ
受験資格があるのを確認できら、簡単に取れる資格じゃないから、どう勉強するかをしっかりと考えないと途中で挫折してしまう可能性が高くなから注意が必要なんだな。
社労士試験内容のポイントは、
- 受験資格を満たしているかまずは確認
- 試験科目の内容をざっくり把握
です。
この2つさえ理解できれば、社労士の試験内容は把握は十分で、次にすべきは、合格率や勉強時間など社労士の難易度はどの程度なのかを理解することです。