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中小企業診断士における経済学・経済政策は、苦手意識をもつ科目上位にランクインするほどで、数式やグラフなど数学的要素の比重が高いため、文系だった人が苦しむ傾向にあります。
過去5年の平均科目合格率は24.04%と難易度が高いわけではないため、しっかりと対策をとれば合格点の60点はとれるようになっており、
- 基礎的な数式やグラフの意味を徹底的に理解
が試験対策のコツです。
かなり難しいが中小企業診断士における経済学の難易度(レベル)
中小企業診断士の財務・会計の難易度は
- かなり難しい
です。
かなり難しいものの、出題される問題は基礎的な問題が多いため、主要理論をきちんと理解すれば60点(科目合格)可能です。
経済学・経済政策の問題数と配点
問題数と配点
- 問題数は25問
- 配点は1問あたり4点
- 試験時間は60分
経済学・経済政策の科目合格率推移
年度 |
合格率 |
令和6年度 |
14.3% |
令和5年度 |
13.1% |
令和4年度 |
10.5% |
令和3年度 |
21.1% |
令和2年度 |
23.5% |
令和元年度 |
25.8% |
H30年度 |
26.4% |
H29年度 |
23.4% |
H28年度 |
29.6% |
H27年度 |
15.5% |
H26年度 |
19.4% |
H25年度 |
2.1% |
最近5年は他の科目と比較すると相対的に科目合格率は高い傾向にあります。しかし、平成25年度の合格率は驚異の2.1%を記録しています。
ポイント
- 合格率が高い=簡単に合格できる科目ではない
- ひねった問題はあまり出題されないが、数式やグラフなど数学的要素の比重が高い
- つまり、数式やグラフなどの数学的な理解ができないと得点が獲得できない
中小企業診断士における経済学の勉強範囲
中小企業診断士の試験案内に記載されている経済学・経済政策の科目設置目的をみてみると、
企業経営において、基本的なマクロ経済指標の動きを理解し、為替相場、国際収支、雇用・物価動向等を的確に把握することは、経営上の意思決定を行う際の基本である。また、経営戦略やマーケティング活動の成果を高め、他方で積極的な財務戦略を展開していくためには、ミクロ経済学の知識を身につけることも必要である。(一部省略)
と書かれています。
- マクロ経済
- ミクロ経済
の2つの論点から出題しているのが分かります。
マクロ経済学の出題範囲
- 国民経済計算の基本的概念
- 主要経済指標の読み方
- 財政政策と金融政策
- 国際収支と為替相場
- 主要経済理論
ミクロ経済学の出題範囲
- 市場メカニズム
- 市場と組織の経済学
- 消費者行動と需要曲線
- 企業行動と供給曲線
- 産業組織と競争促進
- その他経済学・経済政策に関する事項
経済学・経済政策の頻出論点
出題範囲は広いものの過去の傾向を分析すると、頻出論点は明確に存在することが分かります。
具体的には、マクロ経済学とミクロ毛在学のが頻出論点となるため、きっちりと押さえておけば合格点を獲得できます。
マクロ経済学の頻出論点
- GDP、物価指数
- 乗数理論
- IS-LM分析
- AD-AS曲線
- 失業の理論
- 経済統計からの出題
の6論点は必ずおさえるようにしましょう。
ミクロ経済学の頻出論点
- 利潤最大化行動
- 生産関数によるアプローチ
- 所得効果と代替効果(スルツキー分解)
- 寡占(ゲーム理論)
- 外部不経済
の5論点です。
経済学・経済政策の統計問題
といっても、新聞やニュースの経済記事をチェックする習慣をつける程度で問題ないんだな。
ポイント
- 経済学・経済政策は難しい問題ではないが知っているかが全て
- 普段から新聞やニュースの経済記事をよくチェックしておくのが重要
過去問平成30年度の経済学・経済政策第二問を例にすると
平成30年度第二問は1995年以降の日本の「消費支出」「投資支出」「政府支出」の推移が問われる問題が出題されました。
でも、2008年のリーマンショックによって経済に与えた影響を知っていれば簡単に解答できる問題なんだな。
ポイント
- 知っていれば詳しい方にはボーナス問題となるため、近年の経済情勢について大まかな流れだけでも押さえるべき
中小企業診断士における経済学の勉強方法は手を動かしてグラフを実際に作ってみること
経済学・経済政策の勉強は基本的に
- 数式やグラフなどの数学的要素の理解
です。
数学的要素の理解するには、自分の手を動かしながらグラフを実際に作成してみて、導出までのプロセスを実際に体験することにつきます。
3つのスケジュールに分けて考えていくと、目標を立てやすいんだな。
3つのスケジュール
- 序盤
- 中盤
- 直前期
序盤は主要理論の理解に努める
ミクロ経済学、マクロ経済学ともに
- 主要理論の理解に努める
のが序盤にすべきことです。
理解に努めるとは結論を覚えるだけでなく、結論に至る過程を説明できるかどうかです。
競争企業の利潤最大化条件を例にすると、価格=限界費用となる生産量で生産するとの結論だけ覚えても試験では使えません。
なぜそうなるかを理解していないと少し問題をひねられると解答できなくなります。
経済学を得意にするには自分で実際に手を動かしてグラフを書き、プロセスの理解を深めることです。
理論をただ暗記ではなくなぜそうなるか、どのようにグラフを導出するかまで理解を深めなければいけなさそうだ。
中盤は基本的な問題に取り組む
主要理論が理解できたら、
- 基本的な問題に取り組む
段階です。
基本問題をこなして理解を定着させていきます。理解できない論点があれば、テキストと過去問を行ったりきたりしながら復習すればOKです。
終盤は応用的な問題に挑戦
理論が知識として定着し基本的な問題が解けるようになったら、
- 応用的な問題への挑戦
です。
応用問題もきっちりこなれば万が一、難易度が上がっても対処が可能となります。
経済学は深い論点はさほど出題されないため、理解を深めれば高得点が狙える科目です。
基礎ができれば合格点は取れることを忘れてはいけないんだな。
経済学で合格点を獲得する過去問の使い方は頻出論点を優先的に解くこと
企業経営理論や運営管理、暗記系科目の経営情報システム、中小企業経営・政策などと同様に、テキストで学習したら過去問をすぐに活用し記憶を定着させていく勉強をしていくべきです。
ただし、過去問の中には出題率が極めて低い問題も存在するため、出題率が低いD、Eランクは後回しにし、A〜Cランクを優先的に解きましょう。
経済学初学者は早めのスタートが肝心
経済学・経済政策は理論を理解すれば比較的得点が期待できますが、理解するまでに時間が必要かかります。
そこで、経済学初学者の方は出来る限り早めに勉強を始めることをおすすめします。
[さっぱりな時に使える]中小企業診断士における経済学の参考書と動画サイト
解説動画もyoutubeでタダで見れるんだ。
経済学を学んだことのない人向けに、基礎的な理論をわかりやすく解説した本です。
なんと、youtubeで解説動画を無料で見られます。
本の内容に沿って講義形式で解説してくれるので、初学者にとっては強い味方になってくれること間違いありません。
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経済学の強化に公務員試験スーパー過去問ゼミの参考書(問題集)が使える
でも、演習量が少ないからその辺りを補える参考書(問題集)ってないのかな...
演習量が豊富だから、得意分野まで押し上げてくれる切り札となってくれるはずなんだな。
ポイント
- 公務員試験スーパー過去問ゼミは演習量豊富なため、実践力を高める参考書(問題集)として最適
- ただし、公務員試験の経済学の方が問われる内容が深いため、中小企業診断士試験に不要な部分まで足を不見れないことに注意
- あくまで過去問をベースに勉強するのが第一であることも忘れずに
まとめ
基礎的な算出すべき数式やグラフの意味を徹底的に理解が勉強のコツなんだな。
経済学は初学者にとって、理解に時間がかかる取り組みが難しい科目であるのは間違いありません。
ただし、中小企業診断士の試験問題としては基礎的な内容が多く、きちんと理論を理解できれば80点以上の高得点がとれる科目でもあります。
とはいうものの、二次試験との関連性が低い科目であるため、多くの勉強時間を経済学に割くべきではありません。
だからこそ、基礎的な数式やグラフの意味を徹底的に理解により頻出論点を強化することで、効率的に合格点である60点を安定的に獲得できる実力を身につけるべきです。
数字が苦手な僕は財務会計もすごく不安だ..
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