難易度

経営法務の難易度と60点を死守する中小企業診断士試験対策のコツ

2019年9月2日

独勉クン

経営法務はどのくらい難しいのだろうか...

アール博士

中小企業経営・政策の難易度はかなりなんだ。
だけど、頻出論点でしっかり得点できれば合格点は確保可能な科目でもあるんだな。

経営法務は会社法、知的財産関連法など会社経営に関わる法律知識を学びます。

中小企業診断士は法律の専門家ではないため、問われる知識は比較的浅いですが、法律が苦手、暗記が苦手という方にとっては対応が難しいです。

  • 頻出論点の会社法知的財産関連法でしっかりと得点を重ねる

ことが経営法務の中小企業診断士試験対策のコツです。

かなり難しいが中小企業診断士の経営法務の難易度(レベル)

経営法務の難易度は、ここ数年の傾向から

  • かなり難しい

と言えます。

平成30年度は平均点がかなり低くなったため、全員に8点加算されるという前代未聞の大きな得点調整が行われたほどです。

アール博士

単経営診断のケースにあてはめたり、細かな知識問題が増加した結果、近年は非常に難易度が高くなっているんだ。

経営法務の問題数と配点

問題数と配点

  • 問題数は25問(年度によって例外あり)
  • 1問あたりの配点は4点
  • 試験時間は60分
独勉クン

1問あたりの配点が大きい...ケアレスミスには注意が必要そうだ。

アール博士

平成28年度は問題数20問、1問あたりの配点が5点であったため、必ず1問4点全25問になるわけでもないんだ。
問題数が減れば、その分1問あたりにかかる比重が高まるから、プレッシャーがのしかかってきてしまうんだな。

経営法務の科目合格率推移

年度

合格率

令和元年度

25.8%

令和元年度

10.1%

H30年度

5.1%

H29年度

8.4%

H28年度

6.3%

H27年度

11.4%

H26年度

10.4%

平成30年度は+8点の得点調整が行われました。また、平成29年度も診断士協会の正解誤発表により、1問が全員正解とされる措置が取られ、事実上全員に4点が加算されています。

にも関わらず科目合格率が一桁であることが難易度の高さを物語っています。

独勉クン

難しそうだから、科目合格狙いで経営法務を勉強しようかなぁ...

アール博士

複数年での合格を目指しているなら、最初の年に経営法務を受験すべきなんだ。

複数受験を考えているなら

  • 経営法務は例年の科目合格率が低いため、1発で合格できない可能性が大いに考えられる
  • しかも、二次試験に直接的には関わらない科目
  • 受験最初の年で合格がベスト

中小企業診断士の経営法務の勉強範囲

独勉クン

経営法務の勉強範囲はどうなっているの?

アール博士

民法会社法知的財産関連法その他の4つが勉強範囲なんだ。

中小企業診断士の試験案内に記載されている経営法務の科目設置目的をみてみると、

創業者、中小企業経営者に助言を行う際に、企業経営に関係する法律、諸制度、手続等に関する実務的な知識を身につける必要がある。また、さらに専門的な内容に関しては、経営支援において必要に応じて弁護士等 の有資格者を活用することが想定されることから、有資格者に橋渡しするための最低限の実務知識を有してい ることが求められる。このため、企業の経営に関する法務について、以下の内容を中心に基本的な知識を判定する。

参照平成31年度中小企業診断士第1次試験案内

と書かれています。

  • 企業経営に関する法律、諸制度、手続等に関する実務的な知識

が主な勉強範囲となります。

経営法務の頻出論点

企業経営に関する法律、諸制度、手続等に関する実務的な知識のうち頻出論点として

  • 民法(市民生活や事業などにおける基本的な事項)
  • 会社法(会社の形態や組織等について定めた法律)
  • 知的財産関連法(特許や実用新案、商標など)
  • その他(資本市場、倒産等独占禁止法、国際取引等)

の5つです。

独勉クン

5つも頻出論点があるなんて大変そうな科目だ。

アール博士

知的財産関連法の出題割合が増加しているんだ。
あと、民法では相続などの事業承継関連の出題が多くなっているんだな。

メモ

  • 昨今の中小企業の取り巻く現状を反映しているため、事業承継関連の問題は今後も出題頻度が高いと予測される
  • 中小企業経営・政策の得点アップにもつながるため、中小企業白書で中小企業の現状を理解しておくことも大切
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民法

民法の分野は、

  • 物件
  • 債権
  • 相続

の3つです。

民法の頻出論点

民法で必ず抑えておくべき論点は、

  • 期限の利益の喪失
  • 債権、契約
  • 相続(遺留分)

の3つです。

独勉クン

相続は身近な法律だから親近感わくな〜。

アール博士

契約における債務不履行に関する知識遺留分、遺留分減殺請求などの相続に関する知識は特によく問われるんだ。
相続は事業承継でも大きなポイントになっているから、めっちゃ重要なんだな。

会社法

会社法の分野は、

  • 株式
  • 会社の機関
  • 会社の計算
  • 事業の開始
  • 法人の事業開始
  • 届出・手続き等
  • 合併の手続き
  • 倒産等の手続き

の8つです。

会社法の頻出論点

会社法で必ず抑えておくべき論点は、

  • 株式会社に関する知識(役員の任期、人数等)
  • 組織再編

の2つです。

独勉クン

僕の会社は株式会社だ。自分の会社の形態を知るいい機会でもあるかも。

アール博士

株式会社に関する知識は役員の任期や必要な人数、株式についての知識を中心に学習していくんだ。
自分の会社にあてはめて考えると、身近に感じられて頭に入りやすいんだな。

ポイント

  • 株式会社の機関および種類はテキストや参考書などに必ず図表でまとめられているので、丸ごと覚える
  • 組織再編は頻出論点の中の頻出論点であるため、会社分割事業譲渡は重点的に学習すべき

知的財産関連法

知的財産関連法の分野は、

  • 産業財産権
  • 著作権
  • 知的財産権

の3つです。

知的財産関連法の頻出論点

知的財産関連法で抑えておくべき論点は、

  • 特許法
  • 意匠
  • 商標
  • 著作権関連法
  • 不正競争防止法

の5つです。

独勉クン

ITを使うのが当たり前の現代だから、一個人としても著作権などはしっかり理解しておいた方が良さそう。

ポイント

  • 知的財産関連法からの出題は多いため、経営法務の中で最も重要な分野
  • 特許権意匠権商標権は誰の何が対象になるのか、詳細な理解が必要
  • 過去の裁判事例など係争となったケースを調べてると理解しやすい

その他

その他の分野は、

  • 契約に関する基礎知識
  • 契約の類型と内容
  • 資本市場に関する基礎知識
  • 有価証券報告書とディスクロージャー
  • 社債発行の手続
  • 株式公開手続

の6つです。

その他の頻出論点

その他の中で特に抑えておくべきは、

  • 英文条約

です。

独勉クン

英語苦手...

アール博士

英文条約は英語ができる人にはサービス問題なんだ。
英語が苦手な独勉クンは割り切って英文条約は捨て問にして、会社法知的財産関連法の強化に時間を回すべきなんだな。

イメージ暗記法が中小企業診断士経営法務の勉強法のコツ

経営情報システム中小企業経営・政策と同様に、経営法務の勉強は

  • 暗記が全て

です。

法律は毎年改正されるため、最新版のテキスト過去問を必ず利用すべきことに注意が必要。

さらに、出題割合のうち

  • 会社法
  • 知的財産関連法

で6~7割を占めているため、この2論点を集中的な学習が経営法務における中小企業診断士試験対策のコツです。

暗記が苦手な場合はテキストで覚えるのではなく、参考書の図表をそのまま暗記してしまうイメージ暗記法が有効です。

個人差はありますが、文字よりも視覚(イメージ)で覚えた方が記憶定着しやすいため、暗記が苦手な場合には積極的に活用すると記憶が定着しやすくなります。

独勉クン

最新版のテキストや過去問を利用して、会社法と知的財産関連法のイメージ暗記法を頑張るぞ。

アール博士

いきなり全ての暗記は無理だと思うから、3つのスケジュールに分けて勉強すべきなんだ。

3つのスケジュール

  • 序盤
  • 中盤
  • 直前期

序盤

テキストを一読し、概要をつかみます。

細かい数字の暗記は後回しで問題ないので、

  • 法律ごとに何を規定しているのか

イメージをつかむのが大切です。

アール博士

特許権と実用新案権の違いなど、なじみのない法律用語に慣れるをベースに学習を進めるのがコツなんだ。

中盤

会社法、知的財産関連法を中心に

  • 細かい数値を覚える

段階です。

独勉クン

特許権の期限は20年、株式会社の監査役任期は原則4年、頭に入ってきつつあるぞ〜。

アール博士

独勉クンいい感じだね。
一度にすべて暗記は不可能だから、忘れても気にせず、繰り返し読み返して覚えればOKなんだ。

ポイント

  • 暗記するのに暗記カードを作って覚えると効率的
  • しかし、カード作成に多くの時間を費やしても1点にもならない
  • だから、どうしても覚えられない点や頻出論点のみに絞ってのがベスト

直前期

試験直前期は、再度暗記事項の確認です。

テキストを見返しながら、うろ覚えのポイントをチェックしていきます。

ケース問題にも対応できるよう

  • 過去問を解いて実践力を高める

最終段階です。

アール博士

通信講座などの模試は法律の改正論点チェックや、ケース問題の練習には非常に役立つんだ。
模試でゲットした最新情報が本試験で得点につながることも少なくないんだよ。

過去問を例に解説

イメージがつかみやすいように、平成30年度第12問の過去問(知的財産関連法)を使ってご紹介します。

中小企業診断士の1次試験科目経営法務:平成30年度第12問

中小企業診断士だるあなたと、地元の民芸品を扱う事業協同組合Xの理事である甲氏との間で行われたものである。会話の中の空欄に入る語句として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

甲 氏:「うちの民芸品は全国的にも有名だと思うのですが、知的財産権で保護す ることができないでしょうか。」

あなた:「そうですね。意匠や実用新案は新規性が要求されますから難しいでしょ う。でも、商標には立体商標という制度があります。実際、飛騨地方の 『さるぼぼ』や太宰府天満宮の『うそ』が、『キーホルダー』を指定商品とした立体商標として商標登録を受けているんですよ。」 甲 氏:「へぇ、立体の商標ですか。」

あなた:「そうです。 page11image4059957024の立体商標は、『使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの』なら ば、商標登録を受けることができますから、長年使用されている民芸品は 立体商標の登録を比較的受け易いのです。」

甲 氏:「なるほど。長年使っているからこそ登録を得られる商標があるのですね。」 あなた:「地元の弁理士さんを紹介しますので、相談してみてはいかがでしょう。」 甲 氏:「よろしくお願いします。」

〔解答群〕

ア その商品の形状等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

イ その商品又は役務について慣用されている商標

ウ その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

エ 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標

出典:中小企業診断協会

経営法務のケース問題は上記のように、中小企業診断士(あなた)と経営者の会話形式での出題が多いです。

ケース問題と言っても、法律以外の面からも多面的に考えさせるものではなく、知っているかいないかだけの知識問題となっています。

立体商標とは

商品や商品の包装そのものの形状としたり、役務(サービス)を提供するための店舗や設備に設置することにより使用され、商品や役務の提供元を需要者に伝達し、他者が提供するそれらと区別するための標識としての機能を果たす(出所表示機能、自他商品識別機能)商標。

独勉クン

答えはアだ。

アール博士

独勉クン、正解!
立体商標の知識を暗記していれば簡単に解答できるんだ。

メモ

  • 法律は毎年のように改正されるため、3年以上前の古い過去問を使い物にならない
  • 経営法務で合格点を獲得したいのであれば、最新の情報を反映したテキストと過去問で学習すべき
  • 中小企業診断士の試験では過去問を使った勉強法を知っているかどうかで合格に大きく影響
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受験校のテキスト以外も活用しよう

独勉クン

テキストだけではなかなか暗記が難しい...

アール博士

基本はテキストと過去問での暗記がいいけど、補助的に参考書を活用するのも暗記の手助けになるんだ。

ポイント

  • 中小企業診断士のテキストだけだと淡々と法律内容が列記されており、初学者だとなかなか理解が進まない
  • 字面だけなので余計よく分からなくなる負のループに陥いる
  • マンガや図解などイメージ暗記法で学んだ方が理解促進につながる
  • 初学者向けのマンガや図解を豊富に利用した参考書を厳選2冊紹介

ここだけ押さえる! 会社法のきほん/神田秀樹著

マンガや図解を豊富に利用しながら、会社法の基礎の基礎をわかりやすく説明している名著。

中小企業診断士受験生向けのものではありませんが、中小企業診断士の試験範囲に関連するものばかりです。

会社法を全く知らない方でも、マンガを読み進めていくだけで大枠をつかめるようになっています。

独勉クン

早速読み進めて、会社法の苦手意識を克服し、中小企業診断士の一次試験を必ず突破するぞ。

楽しく学べる「知財」入門/穂積健一著

マンガではありませんが、

  • 1・2・3・ダァーッ!を叫んだら商標権侵害なのか!?

など身近な事例をもとに知的財産の解説となっているので、非常にわかりやすくとっつきやすい参考書です。

アール博士

2冊はあくまで法律のイメージや全体像を掴むために使用するものなんだ。
テキストの暗記が一番であることは忘れないでほしいんだな。

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まとめ

近年は難問・奇問のオンパレードで科目合格狙いの中小企業診断士の受験生には鬼門となっている経営法務。

非常に細かい論点まで出題されることも多くなってきており、対策が難しいのは間違いありません。

ただ、それでも

  • 会社法
  • 知的財産関連法

の頻出論点をきっちり勉強できれば60点は突破は可能です。

アール博士

頻出論点の会社法と知的財産関連法できっちり得点する難しい問題でも選択肢を絞り込み正答確率を上げる、の2つが中小企業診断士経営法務の試験対策のコツなんだな。

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