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独立や副業などに活かして年収が上がればな...
でも、資格を学ぶなかで習得した知識やスキルを上手に活かせれば年収アップは全然可能なんだな。
行政書士の平均年収は
- 約500万円
です。
しかし、資格を取得すれば誰でも簡単に年収を上がるわけではないのが現実ですが、やり方次第で年収1,000万円以上も夢ではありません。
この記事の監修行政書士
スタートアップ宍戸行政書士事務所 行政書士 宍戸 伸彰 氏(第20430841号)
[平均年収500万円]行政書士の年収は低くない!
お金事情はすごく気になる〜。
高いか低いかは人によるけど、一般的にはとても魅力的な金額なことは間違いないんだな。
行政書士の平均年収は
- 500万円(参考資格スクエア)
程度が一般的と言われています。
一般の平均年収が441万円(参照平成30年分民間給与実態統計調査)、同難易度である社労士の平均年収が約530万円(参照賃金構造基本統計調)であることから、社労士とほぼ同程度の平均年収と言えます。
行政書士 |
一般的な社会人 |
社会保険労務士 |
|
平均年収 |
約500万円 |
約441万円 |
約530万円 |
行政書士は独占業務が存在するだけでなく、報酬額を自由に決められるため、工夫次第では年収1,000万円を超えることも可能です。
しかし、行政書士もサービス業に変わりは無いため、営業力や企画・提案力などによって収益が大きく変わってきます。
行政書士としてだけでなく、経営者として顧客とのコミュニケーション能力やアフターケア、提案力など求められます。
ポイント
- 行政書士の平均年収は約500万円と一般的なサラリーマンの平均年収よりも高い
- 年収1000万円以上など大きく稼ぐためには、経営者としての能力が非常に重要となる
[なんと500万円未満が約8割]統計データからみる行政書士の年収割合
すごく気になる...
ただ、数字の見方でプラスにもマイナスにも捉えらえるんだな。
年収(売上) |
割合 |
500万円未満 |
78.0% |
1,000万円未満 |
11.4% |
2,000万円未満 |
5.0% |
3,000万円未満 |
1.9% |
4,000万円未満 |
0.9% |
5,000万円未満 |
0.6% |
1億円万円未満 |
0.7% |
1億円以上 |
0.3% |
未回答 |
1.2% |
参照H25年日本行政書士会連合会(以下同じ)会員アンケート
日本行政書士会連合会がH 25年に行った統計(アンケート調査)によると、年収500万円未満が圧倒的多数で約8割にのぼります。
この数字だけ見ると、行政書士は儲からない食えない資格なのかと感じるはずです。
間違いでありませんが、だからと言って、年収500万円以上達成するのが難しいのかというと、そうでもありません。
なぜなら、500〜2,000万円未満の年収が
- 約17%
も存在するからです。
売上の8割は2割のお得意様で占めているため、彼らの顧客満足度向上が業績拡大につなげやすかったり、組織の中で利益をもたらす社員2割が残り8割を養っているなど、経営(ビジネス)ではパレートの法則(経験則が導かれた統計)を利用した戦略が定石となのです。
つまり、どんなビジネスをしようともパレートの法則によって2割は成功者が出るようになっています。
行政書士業界でも同様で、2割に入れるかが年収を高められるかどうかのポイントなります。
ポイント
- 行政書士で年収を上げたいなら上位2割入れるかが重要
- 行政書士に関わらずどの業界であっても同じ
年齢別における行政書士の平均年収
行政書士は試験に合格したり、一定期間行政事務に従事していた経験があれば、登録・開業することができ、その際に年齢は関係ありません。
そのため、年齢別で行政書士の年収を考察することは難しいです。
したがって、ここでは、行政書士の経験年数をベースに行政書士の年収について考えてみたいと思います。
こちらも個人差が大きく、一概に比較することはできませんが、一般的に行政書士を5年間続けてきた「ベテラン」では、およそ年収500万円程度だと推測されます。
これについては、廃業も珍しくない士業の業界において、営業力・実務能力・経営能力をある程度有していると考えられます。
そのため、知名度や顧客からの信用を一定程度有しており、コンスタントに依頼を受注できるルートを有しているということが考えられるためです。
一方、開業して間もない新人では、営業力・実務能力などについては手探り状態であることが多く、年収としては200~300万円程度の場合が多いようです。
しかし、特定の分野に特化していたり、様々な業界に対して強力な人脈を有しているなど、他の事務所と差別化に成功すれば、売上を格段に伸ばすことも可能です。
女性の行政書士平均年収
つまり、実力さえあれば誰でも稼げる可能性を持った素晴らしい資格だとも言えるんだ。
ポイント
- 行政書士は、営業力や提案力、実務能力などの差がそのまま収入につながる実力主義の世界
- 女性だから平均年収が上がる・下がるという相関関係は存在しない
行政書士で小遣い稼ぎ・副業による年収・収入アップは可能なのか
独立開業はちょっとハードルが高すぎる気がするから、会社員しながらも行政書士として活動していきたいなぁ...
ただ、行政書士として活動するには開業届を出したりなどのハードルをクリアできるかがどうかがポイントになるんだな。
行政書士の資格を取得しても日本行政書士会連合会に登録しなければ、行政書士を名乗って行政書士業務ができないよう定められています。
- 行政書士試験に合格
- 一定期間行政事務に従事した
だけでは有資格者に過ぎず、行政書士業務はもちろん、行政書士を名乗ることができません。
そのため、行政書士業務で収入を得るには開業が不可欠となることから、あなたの会社が副業を認めてくれるかによってきます。
ポイント
- 条件を全てクリアできれば、副業でも行政書士として活動できるため、お小遣い稼ぎによる年収・収入アップは可能
副業・兼業での行政書士活動が難しくても小遣い稼ぎは可能
実は、行政書士活動以外の方法でお小遣い稼ぎによる収入・年収アップは可能なんだな。
行政書士活動に従事しなくても、収入・年収アップはできます。
しかも、副業や小遣い稼ぎであれば、今の仕事と並行しながら、行政書士の資格を活用できるため、失敗のリスクを最小限に抑えつつ年収アップが可能です。
ですが、あくまで副業としてなので、大きく稼ぐことはなかなか難しいのが実情です。それでも、年間20~100万円ほどであれば到達可能な数字だと言えます。
- 年間20~100万円は、月間約1.6~8万円
も昇給することはこのご時世ありえないので、副業によって年収アップが独立や転職よりも一番現実的な選択肢です。
収入アップのための一例
- 予備校講師としてのバイト
- WEBライターとして行政書士知識を活かした専門記事の執筆
予備校講師による副業・小遣い稼ぎ
教材作成や答案添削などは副業でもとりくみやすい仕事なんだな。
行政書士の予備校では講師を募集しているケースが多々あります。
なかでも多いのは教材作成や添削講師です。
大手予備校では答練として、多数のオリジナル問題を用意と添削をする必要があるため、添削講師の募集が多い理由となっています。
ポイント
- 講義、テキスト等の作成・作問、添削、資格説明会など仕事の種類は幅広い
- 大手予備校だけでなく中小規模の通信講座などの場合もテキストや作問、添削などの声がかかることはある
WEBライターとして行政書士知識を活かした専門記事の執筆
ライターは誰でもなれるけど、行政書士有資格者としてだと1記事あたりの単価が高くなるから、お小遣い稼ぎはしやすいんだな。
ポイント
行政書士が儲からないはウソ!脱サラによる独立の現実
独立しても本当に儲からないのかな...
だけど、行政書士の資格を持っていれば食っていけるという甘い考え方だと、独立しても上手くいかないんだな。
行政書士は儲からない資格でも稼げない資格でもありませんが、世間では食えない・儲からないと揶揄されることが多いのも事実です。
その前提に立っているのが、
- 行政書士の資格さえ持っていれば仕事が入ってくる
との考え方です。
そもそも、弁護士や税理士、社労士、中小企業診断士など、どんな士業であっても、このご時世で資格を持っていれば仕事が入ってくるほど甘くありません。
行政書士として脱サラ独立して上位2割の成功者を目指すのであれば、士業としてはもちろん、経営者として能動的に仕事を獲得する活動を積極的に行えるかが大きな分かれ道となります。
ポイント
- 行政書士の資格さえあれば仕事が勝手に入ってくると甘い考えを持っていると稼げず、独立失敗となるケースが多い
- つまり、行政書士が儲からないのではない
- 儲ける・稼ぐための準備が圧倒的に不足した結果、儲からない
行政書士として独立して失敗するパターン
それは、試験で勉強した内容以外に必要な学習を怠ってしまうことなんだな。
何度もお伝えしているように、行政書士として独立して失敗する多くは
- 行政書士の資格だけを武器に仕事を獲得
しようと考えているパターンです。
逆説的には、行政書士の資格だけを武器に考えない仕事獲得が独立で成功する秘訣と言えます。
独立して失敗する具体的内容
- サービス力の強化を考えていない
- 儲ける・稼ぐための仕組みづくりを全く考えていない
サービス力の強化が必要な理由
試験で学習した内容をしっかり把握できていれば、問題ないじゃないの...
実務で必要な知識を積極的に勉強する姿勢がないと、サービス力の強化に全くつながらないんだな。
行政書士試験の知識と実務は
- 全く異なる
ことを理解しないと独立しても失敗します。
試験対策で得た知識は実務を遂行する上では必要ですが、ほとんどの場合は各業界の業法に沿った内容で業務を行います。
そのため、顧客が満足する高いサービス品質の提供には各業界の業法への深い理解は絶対的に必要です。
ポイント
- 行政書士試験では出題される内容だけでは実務で通用しない
- 必要な知識は一から勉強して知識を身につけていかなければならない
- これを常に継続できるかがサービス力強化にとても重要
稼ぐ・儲ける仕組みづくりが必要な理由
だからこそ、経営者として必要な知識やスキルを身につけることが重要となるんだな。
年収・収入を上げる一連の流れは
- 顧客獲得→サービス提供→収入→アフターフォロー
となります。
つまり、サービス力の強化だけでは年収・収入拡大は不可能であり、一連の流れ全ての品質のレベルアップが重要です。
そのためには、資金繰り、経営戦略、営業スタイルの構築と実行、自己管理、行動力など経営者に求められる知識やスキルが必要となります。
ポイント
- 士業ではなくサービス業として仕事をする覚悟と自覚を持つこと
- なかでも、顧客獲得をするための営業活動はとても重要
行政書士として独立して失敗しないために
もっと具体的に独立して失敗しないためのポイントってあるんだろうか...
浅く広く様々な案件に対応できる行政書士と特定の業界や内容に特化した行政書士だと、圧倒的に失敗しやすいのは
- 浅く広く様々な案件に対応できる行政書士
です。
1人で全てを高いレベルで提供することは不可能なため、相続や建設業許可など何か1つに特化し、○○と言えば独勉クンと認知度を高めることが重要です。
なぜなら、相手の相談する悩みが深ければ深いほど支払われる対価は高まるからです。
また、依頼者は複雑な問題を抱えていることが多いのにも関わらず、浅く広くでは解決できず、かえって信用を失う状況を招いてしまいます。
お金持ちじゃないから、むか~しにいった記憶でしかないけど…
ポイント
- あなたの業務の核となる専門分野を決めて、その道のプロを目指す
- 1人で解決できない相談は他士業と連携を組んで、チームで課題解決をはかればOK
どのようにして仕事を獲得するかがポイント
どうすればいんだろう...
仕事を獲得するルートは大きく2つ存在するから、独立当初はどちら1つのルート強化を考えるべきなんだな。
当たり前ですが、仕事=依頼が受注できなければ年収・収益を得られません。
それどころか、経営にかかる行政書士会費や家賃などの固定費支払いがあるため、事務所の存続そのものが危うくなってしまいます。
仕事を獲得するためのルートは大きく
- 人脈を通じての受注
- HPなど自ら営業しての受注
の2つが存在します。
どちらを選択しても構いませんが、ノウハウや信用を獲得するために、独立当初はどちらか1つに絞って強化すべきです。
主な仕事獲得方法
- 人脈(行政書士会など)を通じての受注
- HPなど自ら営業しての受注
人脈(行政書士会など)を通じての受注
しかも、人脈ってすぐに築けるものではないからこそ価値の高い集客ルートなんだな。
行政書士会や支部が開催する無料相談会に参加し、それを糸口に依頼を受注するパターンです。
しかしながら、無料相談会に来場する相談者は必ずしも依頼に結びつく訳ではありません。
それなのに無料相談会への参加する意図とは、先輩行政書士や他士業(及び相談者)などと関係性を強めることで、人脈を築いておくことです。
即効性はありませんが、後々の仕事依頼につながる可能性があるだけでなく、信頼を勝ち取れば長期的に仕事を獲得できる可能性もあります。
ポイント
- 各都道府県に存在する行政書士会の無料相談会や勉強会に参加したり、勉強会やイベントの事務局(雑務)などを引き受ける
- 飲み会に積極的に参加する
- これら新米行政書士ができる活動を積極的に行って、先輩行政書士などとの関係性構築が重要
HPなど自分で受注
ただ、人脈からよりも利益率は高いから、年収・収入を上げていくなら外せない集客ルートなんだな。
行政書士も他の企業と同様に、自分から営業・広報を行い、依頼を受注するというのがスタンダードです。
なぜなら、行政書士が携わるような案件は限られているため、待ちの姿勢でお客さんがくることはほぼありません。
そのためにも、HP、メルマガ、セミナーなどによって、情報を発信し続け見込み顧客を捕まえることで、行政書士としての知名度を上げ、自力で案件を受注する営業活動が必要です。
ポイント
- HP、メルマガなどから顧客獲得する知識やスキルは経営者として学ぶべき重要事項
脱サラ独立して行政書士1年目におけるモデル年収額
あくまで参考値だから、イメージとして捉えてほしんだな。
行政書士として独立開業1年目で、なおつ、事務所運営にかかる経費等を極力節約した状態での収益、取り扱う案件は建設業を中心に想定しています。
収入 |
約300万円 |
費用 |
約100万円 |
利益 |
約200万円 |
想定年収(利益)は、200万円です。
人脈や顧客からの信頼は一朝一夕でつくものではないため、200万円の数字だけだと、とても低い年収に見えます。
しかし、人脈(行政書士会など)やHPなど営業を継続的に行えば、2、3年と経過するにつれて大幅な年収アップは可能です。
また、経験を重ねれば業務の効率化や経費削減、継続的な依頼の受注等も期待できるため、どうしても、初めのうちは経営が厳しくなってしまいます。
もっとも、行政書士は自由に報酬を決定できることや、努力次第で大幅な経費削減や業務の効率化が見込めるため、年収(収益)アップには工夫が求められます。
ポイント
- 短期的な視点でしか年収を見られないのであれば、行政書士の独立は向いていない
- 人脈などの営業活動を地道に行えるものだけが、数年後に大幅な年収アップを達成できる
- 独立開業当初は経営が苦しい現実は知っておくべき
売上内訳
項目 |
内容 |
相談料 |
@3,000/時 |
出張料 |
市内:@2,000、市街:@3,000 |
合計 |
月間25万円(1カ月あたり5件の案件受注を想定) |
費用内訳
項目 |
内容 |
家賃 |
@35,000 |
諸会費 |
@6,000(@72,000/年) |
光熱費 |
@20,000 |
雑費(営業費など) |
@30,000 |
合計 |
月間9万1千円 |
まとめ
行政書士の資格を取得だけで年収アップすることは残念ながらありません。
しかし、独立、副業のどちらであっても
- 行政書士で学んだ知識やスキルを実戦で活かす
ができれば、資格取得が年収アップへとつながっていきます。
独立開業を目指すならば、経営者として稼ぐ・儲けるための仕組み作りに必要な知識やスキルを習得することが失敗しないための大きな武器となります。
そのために、まずは試験の難易度の理解から始めるぞ〜。