関連記事
どのような勉強方法をとればいいのか...
だけど、基礎をしっかり理解できれば合格点である60点を確保できる科目なんだ。
財務会計は企業経営理論、運営管理とならんで中小企業診断士試験の最重要科目です。
1次試験、2次試験ともに単独科目として出題されるので、時間をかけてしっかりと取り組む必要があります。
しかも中小企業診断士のなかで難易度が高く、科目合格率は10%を割りこむ年も多いため、苦手とする受験生も多く、中小企業診断士試験を諦めてしまう人もいるほどです。
とは言うものの、初学者でも合格点獲得は決して不可能ではありません。
- 徹底した基礎理解
が財務会計における勉強方法のコツです。
中小企業診断士の財務会計の難易度(レベル)
中小企業診断士の財務・会計の難易度は
- 難しい
です。
損益計算書、貸借対照表などの会計の基礎、ファイナンス理論まで出題範囲も幅広く、応用力も問われます。
計算問題が苦手な方にとっては鬼門とも言える科目でしょう。
ポイント
- トリッキーな問題が出題されることは少ない
- 基礎をしっかり固めれば、初学者でも合格点獲得は決して不可能ではない
財務会計の問題数と配点
問題数と配点
- 問題数は25問
- 配点は1問あたり4点
- 試験時間は60分
1問あたりの配点が大きいので、単純な計算間違いをしてしまうと合格が遠のいていきます。
財務会計の免除対象者[簿記は免除にならないので注意]
だから、普通の人は財務会計は免除対象者には該当しないんだな。
ポイント
- 公認会計士、公認会計士試験合格者、会計士補、会計士補となる有資格者
- 税理士、税理士試験合格者、税理士試験免除者
- 弁護士、弁護士となる資格を有する者
- 注意簿記合格者は財務会計の免除対象者にならない
一次試験の財務会計は電卓が使えない
だから、手計算になるから計算間違いにも注意する必要があるんだな。
ポイント
- 中小企業診断士の1次試験では電卓を持ち込むことはできないので注意が必要
- また、1問あたりの配点が大きいため、手計算によるケアレスミスを命取りとなるので慎重に計算すべき
- ただし、二次試験事例4では電卓が使える
財務会計の合格率推移
年度 |
合格率 |
令和6年度 |
15.1% |
令和5年度 |
14.3% |
令和4年度 |
13.3% |
令和3年度 |
22.4% |
令和2年度 |
10.8% |
令和元年度 |
25.8% |
H30年度 |
7.3% |
H29年度 |
25.7% |
H28年度 |
21.6% |
H27年度 |
36.9% |
H26年度 |
6.1% |
平成27年度からは比較的合格率が高い状態が続いていましたが、平成30年度は大幅に難化しました。
ただ、平成26年度以前を見ても科目合格率が20%を超える年はほとんどありません。
財務会計の中小企業診断士における勉強範囲は財務会計・管理会計・ファイナンスの3つ
中小企業診断士の試験案内に記載されている財務会計の科目設置目的をみてみると、
財務・会計に関する知識は企業経営の基本であり、また企業の現状把握や問題点の抽出において、財務諸表等による経営分析は重要な手法となる。また、今後、中小企業が資本市場から資金を調達したり、成長戦略の一環として他社の買収等を行うケースが増大することが考えられることから、割引キャッシュフローの手法を活用した投資評価や、企業価値の算定等に関する知識を身につける必要もある。このため、企業の財務・会計について、以下の内容を中心に知識を判定する。
と書かれています。
- 財務諸表等による経営分析
- 割引キャッシュフローを活用した投資評価や企業価値の算定等
が財務・会計の中でも特に重要な要素だと分かります。
さらに、中小企業診断士試験案内には財務・会計の試験範囲は以下の内容となっています。
- 簿記の基礎
- 企業会計の基礎
- 原価計算
- 経営分析
- 利益と資金の管理
- キャッシュフロー(CF)
- 資金調達と配当政策
- 投資決定
- 証券投資論
- 企業価値
- デリバティブとリスク管理
- その他財務・会計に関する事項
大きく分類すると
- 財務会計(1~2)
- 管理会計
- ファイナンス理論(7~11)
の3分野から出題されます。
難易度はファイナンス理論(7~11)が一番高いんだ。
だから、ファイナンス理論からの出題が増えると試験難易度が高くなる傾向にあるんだな。
財務会計の頻出論点
財務・会計の頻出論点には明確な傾向があります。
これからお伝えする論点はほぼ毎年出題されるため、必ず抑えておきましょう。
- 経営分析(特に安全性分析)
- CVP分析
- 設備投資の経済性計算
- 企業価値算定(DCF法)
- 証券投資論(CAPM、ポートフォリオ理論)
- デリバティブ
- 原価計算制度
他の科目同様、頻出論点をしっかり押さえることが大切です。
特に経営分析やCVP分析、設備投資の経済性計算は2次試験でも頻出の論点です。
財務会計は比較的出題範囲全体から満遍なく出題されます。
他の科目のように出題確率の低い捨て問が少なく、1次試験では出題されなくても2次試験では出題される可能性のある論点も存在します。
頻出論点以外も、バランスよく勉強することが大切なんだな。
[3つのパートに分けるのがポイント]中小企業診断士の財務会計の勉強方法
うぅぅ。難しそうで中身が頭に入ってこない。
独勉クン。心配しすぎだよ。基礎的な部分さえ理解できれば、問題は解けるようになっているんだ。
やるべきことを3つのパートに分けて勉強を進めるのがポイントなんだな。
財務会計は基礎を押さえなければ、問題を解くことすらできません。
そこで、基礎知識のない方は理論・理屈をしっかりと理解しましょう。
3つのパート
- 序盤
- 中盤
- 直前期
序盤は簿記の基礎知識を徹底理解
簿記の基礎は中小企業診断士のテキストではあまり細かく解説されていません。
そこで、基礎知識の無い方は日商簿記検定3級のテキストを使って、簿記の勉強から始めることをおすすめします。
テキストでの学習だけでなく、問題も同時に解いていくことが大切です。
いきなり難易度の高い問題に取り組むと苦手意識ついてしまうので、基礎的で簡単な問題に取り組みましょう。
メモ
- 基礎をきっちり身に付けることが重要なので、この時点で応用的な問題が解ける必要はありません。
中盤は問題演習を中心に取り組む時期
全体的に基礎が身についてきたら、問題演習を中心に取り組んでいく段階です。
論点ごとにやや高いレベルの問題にもチャレンジしていきましょう。
同じ論点でも少しパターンが変わっただけで解答できなくなる場合は、基礎が理解できていないサインです。
そのような論点はもう一度テキストに戻って、基礎理論の理解に努めましょう。
直前期はタイムマネジメントのトレニーングで解くスピードを意識
財務会計は試験時間が60分しかなく解答スピードも要求される科目です。
直前期も問題演習を中心に取り組むべきですが、解くスピードも意識しましょう。
受験校の模試も活用してタイムマネジメントのトレーニングも行うことが必要です。
時間に余裕があるなら2次試験の問題に取り組んでみるべきです。2次試験の問題の方が1次試験よりも難しいため、1次試験は簡単に感じることができます。
ポイント
- 基礎の理解が甘いと感じた場合、放置せずもう一度テキストに戻って勉強し直すことが大切
- 中途半端な理解で中小企業診断士の試験本番にのぞむのは避けるべき
財務会計における過去問の使い方
財務会計は出題傾向が毎年似ているので、過去問5年分は必ず取り組むべきです。
出題のされ方は異なっても解法は同じということも多いです。過去問にしっかり取り組むことが大切なのは他の科目と同様です。
正解できたからOKではなく、きちんと解答を導き出したプロセスが正しいかも確認しましょう。
基礎がわからないままでは問題の意味も理解できないので、過去問に取り組む時期は一通り基礎理論が理解できてからで問題ありません。
直前期は時間内の60分で解ききることも意識すべきです。
ポイント
- 計算問題は解答だけでなくプロセスも書き出してチェック
- プロセスを書いておくと、どこで間違ったのか確認できるからオススメ
簿記3級を勉強しておくと財務会計の勉強がスムーズに行きやすい
どう克服していけば...
簿記の理解がしっかりで規定るかが財務会計の得点に直結してくるんだな。
ポイント
- 簿記の知識があるかが財務会の得点に直結する
- だからこそ、時間があるなら簿記3級は勉強しておけると中小企業診断士の財務会計では有利に働きやすい
- しかも、簿記3級は1、2週間あれば一通り勉強できる
[苦手な人こそ、とにかく手を動かすそう]中小企業診断士の財務会計勉強方法のコツ
習うより慣れろの考え方も重要なんだな。
財務・会計の勉強は手を動かすことが大切です。頭の中でだけ考えていてはダメです。
例えば、仕訳がわからない場合であれば、簿記検定の問題などを使い、仕訳を実際に書いていくことです。
財務諸表のつながりがわからない方は、B/S、P/Lなどの図を書いてみる。
頭で理解しようとするよりも、手を動かして、理屈を身体に覚え込ませる方が理解が早く進みます。
ポイント
- とにかく量をこなすことが大切
- 1日1問だけでもいいので、毎日問題を解く習慣をつけること
テキストだけで理解できない時に財務会計でおすすめの参考書(本)
受験校のテキストは理論の説明が十分でないものが多く、全くの初学者にとってはやや使いづらく、簿記検定のテキストや会計初心者向けの書籍を活用することも検討すべきです。
おすすめはざっくりわかるファイナンスと財務3表一体理解法の2冊です。
ファイナンス理論や財務諸表の考え方が、初学者でも理解できるレベルで丁寧に解説されています。
演習量を増やしたい時に使える財務会計のおすすめ問題集
でも、それだけでは演習量が足りないからおすすめの問題集があれば知りたい...
その上で演習量が足りないなら、TACの集中特訓・財務会計問題集がおすすめなんだな。
中小企業診断士の試験勉強において財務会計に限らず、原則的には過去問中心の勉強が第一と言えます。
頻出論点や問われ方などを理解するためには過去問の出題実績から学ぶことが何よりも効率的な勉強方法となるからです。
その上で、さらに演習量を増やすために問題集を活用したいと考えるのであれば、TACの集中特訓・財務会計問題集がおすすめの問題集です。
TACの集中特訓・財務会計問題集は各論点において様々な角度から問題が作成されているため、新しい問題を解くことによる理解度の確認に使えます。
財務・会計初学者は早めのスタートが肝心
この科目も基礎理論の習得に時間がかかるので、初学者は早めに勉強を開始するべきです。
試験範囲も幅広い上、付け焼刃で対応できる試験ではありません。出遅れると間に合わなくなります。
まとめ
徹底した基礎理解が結果として、合格点を獲得する実力をみにつけられるんだな。
財務・会計は2次試験にも関わる重要な科目です。
難易度も高く、大半の受験生にとっては最も勉強時間を費やす科目ですが、必要以上に恐れることはありません。
基礎をきっちりと理解し、問題演習を繰り返せば初学者であっても必ず合格できます。
コツがつかめれば一気に理解が進む科目でもあります。
最初は大変ですが、合格のために逃げずに、しっかりと時間を確保して腰を据えて取り組むことが必要です。
財務会計と同じく、二次試験と関連性が深い運営管理の勉強方法のコツも知っておきたいな...
-
-
運営管理の中小企業診断士試験勉強方法のコツとは?頻出論点を中心にした過去問で暗記学習以外にない
関連記事 中小企業診断士の難易度 独勉クン運営管理はどのくらい難しいんだろ... どのような試験対策をすればいいのか... 運営管理の難易度は普通なんだ。 暗記すれば合格点である60点を確保できるんだ ...