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どんな風に勉強すれば良いかわからず、手探り状態だ...
中小企業診断士二次試験は公式に解答が公表されない不透明(ブラックボックス)な試験であるがゆえに、何度も何度も受験する人も多く存在します。
これは、ただただ演習量を多くこなしたり暗記すれば合格できるような生易しい試験ではないと試験側がメッセージとして贈ってくれていると捉えるべきです。
そんな状況下でも独学で合格を目指すのであれば
- 中小企業診断士に求められる本質と出題者が期待する解答を導くために必要な3つの解き方
を理解して、戦略的かつ論理的に試験勉強に取り組むことが中小企業診断士の二次試験攻略には必要です。
[たった1つの真実]独学合格したいなら中小企業診断士二次試験の解き方よりも先に知っておくべき本質
とにかく量をこなせばいいはずだ...
だけど、それよりもまずは中小企業診断士に求められる本質をちゃんと理解することが一番大事なんだな。
中小企業診断士の二次試験は解答が発表されない不透明(ブラックボックス)な試験です。
だからと言って、1年に1度しかない試験にただ多くの演習量をこなしてのぞむだけの勉強は博打でしかありません。
解答が公表されないなかで、試験対策のよりどころにすべきは
- 中小企業診断士に求められている資質
とは何か、本質を理解することです。
ポイント
- 中小企業診断士として必要な資質が分かればどんなスキルが必要なのか明らかになる
中小企業診断士として必要な資質とは?
経営コンサルタントの資格だから、論理的に考える力...かな...
中小企業診断協会のHPを見ると、具体的な記述がされているんだな。
中小企業診断士の必要な資質は、中小企業診断協会に記されています。
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。
中小企業診断士の業務は、中小企業支援法で「経営の診断及び経営に関する助言」とされています。
「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。参照中小企業診断協会
要約すると
- 現状分析を踏まえ経営課題に対応する診断助言によって、企業の成長戦略のアドバイスを行う
ことが中小企業診断士に求められる資質です。
ポイント
- 中小企業診断士とは経営課題に対応すること
- つまり、経営課題の解決策を提示し企業が成長するストーリーを描くことが求められている
中小企業診断士二次試験にはびこる〇〇メソッドの解き方を学ぶ必要性はあまりない
僕も◯◯メソッドを習えば合格により近づけんじゃないか...
だから、◯◯メソッドを学んだからといって必ずしも合格に近づける訳ではないから、盲信しすぎないほうがいいんだな。
中小企業診断士の二次試験では解答が公表されないからか、試験対策ノウハウとして試験攻略の奥義かのように各予備校が独自の◯◯メソッドを提供しています。
合格への相関性は少なからずあるものの、◯◯メソッドを学べば合格確率が飛躍的に高まることは残念ながらありません。
◯◯メソッドはあくまで試験対策として考えられたものであり、中小企業診断士の本質である経営課題の解決策を提示し企業が成長するストーリーを描くことを前提に考えられていないため、出題者が期待する本質と〇〇メソッドにはどうしてもギャップが生じるからです。
中小企業診断士の二次試験への合格率を高めたいのであれば、〇〇メソッドを学ぶよりも
- 出題者が期待する本質をどのように手順や解答に落とし込むか
を考えるべきです。
ポイント
- ◯◯メソッドは、中小企業診断士の本質を前提にしていないため、出題者が求める内容とにギャップが生じる可能性がある
- ◯◯メソッドを盲信しすぎてしまったことで、1年頑張って勉強したのに合格から遠のいた受験生も少なからず存在する
- だからこそ、出題者が期待する本質をどのように手順や解答に落とし込むかをベースに勉強すべき
[ポイントは3つ]中小企業診断士の二次試験の独学合格に必要な解き方
1つも浮かんでこない...
これを手順や解答に落とし込む時に重要なポイントが3つあるんだな。
中小企業診断士の二次試験に独学合格に必要な力は、経営課題の解決策を提示し企業が成長するストーリーを描くことです。
そして、ストーリーを描くために基準となる
- 経営課題を見つけ出す力
が最も重要となります。
ストーリーを描く基準である経営課題をとり間違えると、いくら素晴らしい解答でも求めているゴールが違うため、残念ながら1点も獲得できません。
だからこそ、基準となる経営課題をしっかりと見つけ出せるかで解答のできの8割以上は決まってしまいます。
3つのポイント
- 経営課題(出題者の意図)を読み解けているか
- 経営課題を基準に設問と与件のマッチングができているか
- 出題者に伝わる解答がかけているか
経営課題(出題者の意図)を読み解けているか
難しそうだ...僕でもできるのかな...
しかも、ちょっとしたポイントを知ってるかどうかだけだから安心して欲しいんだな。
中小企業診断士二次試験の解き方で重要なのは、経営課題のみつけたかた以外にありません。
経営課題とは、企業が業績を改善もしくは伸長させる上で必ず解決すべき事象
参照中小企業診断士のアール博士合格ラボの見解
上記を前提に中小企業診断士の二次試験では過去、現在、未来の3つの時制ごとに経営課題が存在します。
未来は〇〇が経営課題であると与件に記載されていることが多いため、すぐに分かりますが、過去と現在は経営課題が明記されていないことがほとんどです。
ただ、過去と現在の経営課題の見つけかたはとてもカンタンで
- 取り組んだ内容 ⇒ 売上や利益、顧客満足など業績にプラスになった
の部分を与件や設問から探せればOKです。
経営課題さえ分かれば、それを基準に現状分析や提案ができれば中小企業診断士二次試験の独学合格は可能です。
ポイント
- 経営課題は過去、現在、未来の3つの時制それぞれで探す必要がある
- 未来の経営課題は明記されているため誰でも見つけられる
- 過去と現在の経営課題の見つけかたは、事例企業が取り組んだ内容 ⇒ 業績にプラスになった部分を与件と設問から探すだけ
平成26年度事例1(組織・人事)の過去問でチェック
経営課題がわかると情報の整理もしやすそうだぁ
経営課題は中小企業診断士二次試験で問題を解く基準となるから、しっかり見つけ出せれば情報の整理が格段と楽になるんだ。
経営課題の探しかたを平成26年度事例1(組織・人事)の過去問で実際にみてみるんだな。
A社にとって成長に向けた最初のターニング・ポイントは、レーザー用放電管の 開発であった。大学や大手企業の研究機関から依頼を受けて開発・製造に取り組んできたそれまでの製品とは異なって、A社社長のアイデアではじめて自社開発に着手したレーザー用放電管事業はひとつの柱となった。その後10年の時を経て、レーザー用放電管事業はレーザー装置そのものの製品化にもつながり、売上は大きく伸張す ることになる。
参照中小企業診断士2次試験 平成26年度事例1の与件を抜粋
時制でみると過去についての経営課題となります。
経営課題のみつけ方である「取り組んだ内容 ⇒ 売上や利益、顧客満足など業績にプラスになった」にあてはめて考えると
- A社社長のアイデアではじめて自社開発 ⇒ レーザー用放電管事業が成長し売上は大きく伸張
がみつかります。
もうひとつのターニング・ポイントは、レーザー用放電管開発と前後して、現在の 主力製品となる理化学分析用試験管のOEM生産を化学用分析機器メーカーから依頼されたことであった。もっとも、この事業がA社の利益に大きく貢献するようにな ったのは、5年ほど前からである。というのも、製造依頼があった当初、分析用試験管の市場規模はまだ小さく、生産量も少なかったし、製造プロセスの多くが手作業であったことに加えて外注した製造設備を使っていたために、良品率が40%以下と著しく低かったためである。その後、試験管の需要増に伴って受注量も増えてA社の 売上は少しずつ伸張したが、良品率が低く利益増にはなかなか結びつかなかった。試験管市場の成長を確信していたA社社長は、そうした事態を打破するために製造設備の内製化を決意し、段階的に製造設備の改良・開発に取り組み始めた。
参照中小企業診断士2次試験 平成26年度事例1の与件を抜粋
同様にみていくと、時制としては過去であることが分かります。
また、経営課題は過去、現在、未来のそれぞれで1つとは限らず、複数存在する場合もあることは知っておきましょう。
先ほどのように、経営課題のみつけ方である「取り組んだ内容 ⇒ 売上や利益、顧客満足など業績にプラスになった」にあてはめて考えると
- 製造設備の内製化 ⇒ 良品率の向上により利益増
がみつかります。
経営課題がみつかれば後は、経営戦略もしくは組織・人事の視点から解決策の提案を行っていけば解答はおのずと作成できるようになっています。
ポイント
- 「取り組んだ内容 ⇒ 売上や利益、顧客満足など業績にプラスになった」部分を与件や設問から考えて経営課題をみつけだすこと
- 経営課題は過去、現在、未来のそれぞれで1つとは限らず、複数存在する場合もある
経営課題を基準に設問と与件のマッチングができているか
後は、設問と与件をちゃんとマッチングできればいいのかな...
経営課題がみつけだせたら、次は設問と与件をいかにマッチングできるかなんだな。
経営課題がみつけだせたら、注意すべきは設問と与件のマッチングです。
基本的には与件から経営課題を導き出すこととなるため、どの経営課題がどの設問の現状分析もしくは解決策として求められているかを見極めれれば、設問と与件のミスマッチングは防げます。
A社は、創業期、大学や企業の研究機関の依頼に応じて製品を提供してきた。しかし、当時の製品の多くがA社の主力製品に育たなかったのは、精密加工技術を用いた取引先の製品自体のライフサイクルが短かったこと以外に、どのような理由が考えられるか。100字以内で答えよ。
参照中小企業診断士2次試験 平成26年度事例1の第2問
A社が創業期に成長できなかった理由が問われています。
つまり、A社が成長できた要因を裏返しにして経営課題がしっかりと理解できているかを問われている問題となります。
過去の時制でA社が成長できたターニングポイントは、
- A社社長のアイデアではじめて自社開発 ⇒ レーザー用放電管事業が成長し売上は大きく伸張
- 製造設備の内製化 ⇒ 良品率の向上により利益増
であったため、裏返してできていなかった過去の内容を記載すれば解答が完成します。
経営課題をみつけだして、設問、与件のマッチングができれば解答への道筋ができあがってる...
ポイント
- どの経営課題がどの設問の現状分析もしくは解決策として求められているのかを見極めること
- 経営課題をみつけだして、設問、与件のマッチングができれば解答への道筋ができあがる
出題者に伝わる解答がかけているか
文章力に自信ないから、かなり心配だ...
出題者に伝わる解答にするために、切り口(箇条書き)と因果関係を意識して文章作るべきなんだな。
中小企業診断士の二次試験ではキレイな日本語や作家が書くような読者の心を掴む文章は全く必要ありません。
メールや企画書など、仕事をする上でも相手に伝わりやすくするために必要な
- 因果関係
- 切り口(箇条書き)
を守った解答作成につきます。
A社は、創業期、大学や企業の研究機関の依頼に応じて製品を提供してきた。しかし、当時の製品の多くがA社の主力製品に育たなかったのは、精密加工技術を用いた取引先の製品自体のライフサイクルが短かったこと以外に、どのような理由が考えられるか。100字以内で答えよ。
参照中小企業診断士2次試験 平成26年度事例1の第2問
切り口(箇条書き)としては、第1ターニングポイント「A社社長のアイデアではじめて自社開発」と第2ターニングポイント「製造設備の内製化」です。
あとは設問とマッチングした与件をもとに
- (因)取引先からの依頼による開発・製造ばかり ⇒ (果)取引先の要望を超えるアイデアが提案できなかった
- (因)製造プロセスの多くが手作業で ⇒ (果)良品率が著しく低く利益が低迷
のように因果関係で文章を作ればOKとなります
これなら文章が苦手とか関係なさそうだから、僕でもできそうだ。
ポイント
- 中小企業診断士の二次試験ではキレイな日本語や作家が書くような読者の心を掴む文章は全く必要ない
- 必要なのは、切り口(箇条書き)と因果関係を意識した文章
- 因果関係とは、原因(理由)と結果(結論)を必ずセットにすると理解すること
[極秘ノウハウ]中小企業診断士二次試験の解き方を定着させるなら事例4がサイテキ
1事例80分はどうやってもムリだ...
しかも事例4を使えば、経営課題をみつけて事例企業の成長のストーリを描くまで10分もあればできるからおすすめなんだな。
中小企業診断士の二次試験は1事例における試験時間は80分であるため、仕事が終わった平日夜に時間計って1事例を解くのはなかなかハードです。
1事例を丸々解くのは難しくても、作業を分解して1項目だけ取り組むようにすれば、さほど時間はかからないので、平日夜でも学習が可能です。
なかでも、一番重要な経営課題をみつけだし企業の成長ストーリーを描くスキルをみにつけるのに事例4を使うと時短学習ができるため、おすすめです。
ポイント
- 事例問題が短いので少ない時間で問題が解ける
事例問題が短いので少ない時間で問題が解ける
だから、単純に短い時間で問題が解けるからなんだな。
中小企業診断士二次試験の事例別における令和2年度の与件文字数を比較すると、事例1〜3は2,500文字以上なのに対し、事例4は約1,050文字と、2分の1以下の文字数です。
事例 |
文字数 |
約2,500文字 |
|
約2,300文字 |
|
約2,400文字 |
|
約1,050文字 |
|
文字数が半分以下であることから、与件を読む時間を半分以下に抑えられます。
また、文字数が少なければ少ないほど経営課題は見つけ出しやすくなるため、基礎力を養成するには事例4が一番最適な事例です。
ポイント
- 事例4は事例1〜3に比べて与件の文字数が半分以下なため、時短学習が可能
- 与件の文字数が少ないほど経営課題は見つけやすい
- だからこそ、基礎力養成に事例4はもってこい
-
中小企業診断士二次試験の解き方とは?独学で合格するなら診断士に求められる本質と3つの解き方の把握が攻略のカギ
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まとめ
あとは、上記のスキルをみにつけるための解き方を練習していけばいいだけで、誰でもだからなんだな。
中小企業診断士二次試験は公式に解答が公表されない不透明(ブラックボックス)な試験であるがゆえに、勉強する上で試験に独学合格するために必要な要件を知っておかないと、2、3、4年...と受験が長引いてしまうことも少なくありません。
ただし、合格に求められる要件はいたってシンプルで中小企業診断士に求められる本質である
- 経営課題の解決策を提示し企業が成長するストーリーを描くスキル
を二次試験の解き方の手順に落とし込んでいくだけです。
そのために、経営課題(出題者の意図)を読み解けているか、経営課題を基準に設問と与件のマッチングができているか、出題者に伝わる解答がかけているかの3つの解き方を意識しながら過去問の練習に取り組めば、中小企業診断士の二次試験に独学合格するための実力は必ず身につけられます。
実際に事例4(財務会計)で基礎力を養成するところはじめるぞぉぉ〜。
あと、二次試験の勉強をはじめるにあたって参考になるテキストがあれば知っておきたいなぁ...
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