寡占市場においては、ライバル店の動きを見ながら、価格を設定することが重要である。下表では寡占市場における価格競争のゲームについて考える。A店とB店の戦略は、高価格と低価格であるとする。
両者が異なる価格を設定する場合、低価格にした店は、すべての顧客を得て20の利潤を得ることができるが、高価格を提示した店は顧客を得ることができず、利潤は0となる。また、両者が低価格にする場合は、この価格で得られる市場全体の利潤20を半分ずつシェアする。さらに両者が高価格にする場合は、市場全体の利潤は32となり、各店はそれぞれ16の利潤を得る。カッコ内の左側がA店の利潤、右側がB店の利潤を示す。
このゲームに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
解説
表の見方や、ナッシュ均衡など用語の定義などをきちんとおさえておくことがポイント
アール博士
ナッシュ均衡とは
- ナッシュ均衡とは、他のプレイヤーの戦略を所与とした場合、どのプレイヤーも自分の戦略を変更することによって高い利得を得ることができな戦略の組み合わせです。
- つまり、両プレイヤーともに損をする行動をとる組み合わせを探すことが重要となります。
ポイント
A店が高価格の戦略を選んだとすると、B店は低価格を選べば20の利潤が得られるため低価格を選択します。
次にB店が低価格戦略を選んだとすると、A店も低価格戦略を選んだ方が10の利潤を得られるため低価格を選択します。
A店が低価格戦略を選んだとすると、B店は低価格から高価格にすると利潤が10から0に減ってしまうため、低価格戦略を継続することになります。
両者ともに高価格戦略を選んでおけば、利潤最大化できたものの、自店の利潤最大化のみの行動によって、結果として利潤の低い結果となっていることがわかります。
選択肢ア
このゲームからは、2つの店が価格競争を行うと互いにメリットがあることが分かる。
2つの店が価格競争を行うと、利潤は共に10となるがそれ以外の選択肢の方がメリットがある場合もあります。
選択肢イ
このゲームで、A店とB店がともに低価格にする場合、どちらか一方の店が価格を高価格に変更すると、その店の利潤は減少する。
正解です。
選択肢ウ
AとBがどちらも低価格戦略を選択するときにナッシュ均衡となる。
このゲームでは、A店とB店が異なる価格をつける2つの場合がナッシュ均衡である。
選択肢エ
このゲームにおけるA店とB店の最適反応は、ともに高価格にする場合である。
お互いが最適反応を選択した場合がナッシュ均衡となるので、最適反応はともに低価格を選択する場合である。
解説
表の見方や、ナッシュ均衡など用語の定義などをきちんとおさえておくことがポイント
アール博士
ナッシュ均衡とは
- ナッシュ均衡とは、他のプレイヤーの戦略を所与とした場合、どのプレイヤーも自分の戦略を変更することによって高い利得を得ることができな戦略の組み合わせです。
- つまり、両プレイヤーともに損をする行動をとる組み合わせを探すことが重要となります。
ポイント
A店が高価格の戦略を選んだとすると、B店は低価格を選べば20の利潤が得られるため低価格を選択します。
次にB店が低価格戦略を選んだとすると、A店も低価格戦略を選んだ方が10の利潤を得られるため低価格を選択します。
A店が低価格戦略を選んだとすると、B店は低価格から高価格にすると利潤が10から0に減ってしまうため、低価格戦略を継続することになります。
両者ともに高価格戦略を選んでおけば、利潤最大化できたものの、自店の利潤最大化のみの行動によって、結果として利潤の低い結果となっていることがわかります。
選択肢ア
このゲームからは、2つの店が価格競争を行うと互いにメリットがあることが分かる。
2つの店が価格競争を行うと、利潤は共に10となるがそれ以外の選択肢の方がメリットがある場合もあります。
選択肢イ
このゲームで、A店とB店がともに低価格にする場合、どちらか一方の店が価格を高価格に変更すると、その店の利潤は減少する。
正解です。
選択肢ウ
AとBがどちらも低価格戦略を選択するときにナッシュ均衡となる。
このゲームでは、A店とB店が異なる価格をつける2つの場合がナッシュ均衡である。
選択肢エ
このゲームにおけるA店とB店の最適反応は、ともに高価格にする場合である。
お互いが最適反応を選択した場合がナッシュ均衡となるので、最適反応はともに低価格を選択する場合である。